泊り込み[語句情報] » 泊り込み

「泊り込み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泊り込みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
花燭」より 著者:太宰治
あまり知らなかった。毎日、毎日、訪問客たちの接待に朝から晩までいそがしく、中には泊り込みの客もあって、遊び歩くひまもなかったし、また、たまにお客の来ない日があっ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
は大丈夫なんですからね。それだのに行ったきりと言うのもおかしいが、通い職人がまた泊り込みでひとりも帰らず、四十日近くもこちら井戸ばかり掘っているというのも腑に落....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
のだから、目立たんように態と汚れた衣類に致しまして、旅※れの姿で、町人|体にして泊り込みましたので、五平は案外ですから驚きました。 竹「どうか此の位あれば大概払....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
らせて下さい」 と云うので間もなく、昭和九年春の大寒中、古賀氏住宅附近の空屋に泊り込み、寝食を忘れて製作に熱中し出した。 そうして筆者等の予算計画の約二倍大....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
乞いをして、明日にも改めてお伺い致しますと言って別れてしまいました。 いかにも泊り込みそうな気合で来て、ふいに外《そ》れてしまったから、主膳も、拍子抜けの気味....
山吹の花」より 著者:豊島与志雄
。五十ぐらいの年配で、しっかりした人柄のようだし、身形もきりっとしていた。これは泊り込みが希望だった。世話した人の話では、或る家に勤めていたが、それが電車通りで....
火の扉」より 著者:岸田国士
、彼女をしばらく家に置くことを快く承知した。 が、そのまゝ、尾関も、二晩三晩と泊り込み、いつこう動きそうにない。江原も別に気にかける様子もなく、ついにもう六、....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
う。それは一昨年の三月頃から五、六月頃にかけてのことで、その仕事に来た大工はみな泊り込みで働いていたんです。そのなかに西山――名は何というのか知りませんが、とに....
朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
子は十貫にはどうしてもならなかったか細《ぼそ》い小さな体だった。私の妹の春子も、泊り込みの通い弟子で、浜子のお母さんからは料理、浜子からは箏を、ずっと教えてもら....
四月馬鹿」より 著者:織田作之助
ろう。来月にのばしちゃえよ」 「だめ! あんたが書くまで、僕は帰らんからね」 「泊り込みか。ざまア見ろ」 Aさんは笑いながら出て行った。 「書きゃいいんだろう....
ロウモン街の自殺ホテル」より 著者:牧逸馬
いた。 「承知しましたとも、マダム。百法ずつ下さるなら、幾晩でもお望みの間ずっと泊り込みますよ」 そこで、その金曜日の夜、カミィルは意気揚々とホテル・アムステ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
うに新たに狼狽しながら、「運よくその師匠の文字若さんが、四、五日前から鍋屋さんに泊り込みでね、あっしゃあ今の先、大鍋さんの若い者に叩き出されて駈けつけたんだが、....
樹氷」より 著者:三好十郎
の壮六の骨折りだ。彼奴は俺のためにはるばる試験場からいろんな種もみ運んで来ちゃ、泊り込みで加勢してくれてね。奴は稲作の事にかけちゃ、あれで随分勉強もしてやすから....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
われたようなところもあった。それから例の履を繕わなければならんからその日もその儘泊り込みになってその翌日もまた泊り込み、でそのまた翌日尊者の所に逢いに行ってその....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
南雄教授これが教授側の指導者であったので足尾の坑夫が出て来て、これ等の教授宅には泊り込みで護衛する。また文化同盟の事務所には、学生が合宿して用意を整えて対峙する....