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法師蝉
「法師蝉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
法師蝉の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
いる。 峻《たかし》はこの間、やはりこの城跡のなかにある社《やしろ》の桜の木で
法師蝉《ほうしぜみ》が鳴くのを、一尺ほどの間近で見た。華車《きゃしゃ》な骨に石鹸....
「巡査辞職」より 著者:夢野久作
を云う者すら出て来るようになった。 その中《うち》に秋口になって、山々の木立に
法師蝉《ほうしぜみ》がポツポツ啼き初める頃になると、深良屋敷の一知夫婦が揃いの晴....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
君は一人で承知している。 ブーンとものの羽音がしたかと思うとツイ眼の先の板塀で
法師蝉が鳴き出した。コスモスの花に夕日がさして、三歩の庭にも秋の趣はみちみちてい....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
も涼風が吹き入っている。しかし庭のプラタナスには鮮かな黄葉も幾枚か見える。一声、
法師蝉が鳴いている。しかし網竿を持った子供の姿はもう見えない。 私の治療は主と....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
濡れた木《こ》の葉《は》と枯枝とに狼藉《ろうぜき》としている庭のさまを生き残った
法師蝉《ほうしぜみ》と蟋蟀《こおろぎ》とが雨の霽《は》れま霽れまに嘆き弔《とむら....