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法服
「法服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
法服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
さながら崑崙奴《こんろんぬ》の如く黒けれど、眉目《みめ》さまで卑しからず、身には
法服《あびと》の裾長きを着て、首のめぐりには黄金《こがね》の飾りを垂れたり。われ....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
たった一人岩の壁の上に懸けた十字架の前に祈っている。「さん・せばすちあん」は黒い
法服を着た、四十に近い日本人。火をともした一本の蝋燭《ろうそく》は机だの水瓶《み....
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
ん。 が、今では若杉さんは、決してクリスチャンではありません。誰が見ても、あの
法服を着て法廷に澄まし込んでいる若杉裁判長が、青年時代に、熱烈な信仰を懐いていた....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
が、このとてつもない阿呆宮だった。そして、一九二二年十一月までが、絢爛たる主教の
法服と煩瑣な儀式に守られた神聖な二年間で、その間はこの聖堂から秘密の指令が発せら....
「落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
眼が見えた、――がなんという恐ろしい誇張をもって見えたことであろう! 私には黒い
法服を着た裁判官たちの唇が見えた。その唇は白く――いまこれらの言葉を書きつけてい....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
と、俄かに浪は立ち騒いで、神の加護があるように見えたので、道士は喜んだ。 彼は
法服に着かえ、鉄符をたずさえて舟に登った。大勢の人びとは岸にあつまって眺めている....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
様の手におえる相手ではない。早くひけ」 見ると、部屋のすみの入口に、覆面、黒の
法服のようなものをまとった大男が、銃剣を持った水兵を従えて、じっと、こちらを見つ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
た。その前のすぐ下には、ほかの三人の裁判官がこしをかけていた。そのそばにわたしは
法服を着て、かつらをかぶった紳士といっしょにならんだ。これがわたしの弁護士である....
「審判」より 著者:カフカフランツ
っている一枚の大きな絵が彼の眼をひいたので、それをよく見るため、かがんだ。それは
法服姿の一人の男を描いていた。丈の高いいかめしい椅子にすわっているが、その椅子の....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
この時ガンデン・チー・リンボチェ即ち私の師匠である方は、そのチー・リンボチェの
法服を着けて法王と共に天蓋付の絹の大傘の下にしずしずと歩んで来られたが、この方が....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
半ば宮殿であり半ば僧院でもある大ビルディングの中央に設けてあって、そしてそこに、
法服といい、動作といい、奇妙な合唱といい、これまたすこぶるオペラ的なる一群の僧侶....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
の徒であると云っている。彼らは家に妻子を蓄え、口に腥※を啖い、私に髪を剃り猥りに
法服をつけて、形は沙門の如きも心は屠児すなわちエトリに似たものであると云っている....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
博士三善清行の「意見封事」に、当時の人民課役を避けんが為に、私に髪を剃り、猥りに
法服を着けて、法師の姿に身をやつしたというそれである。「家に妻子を蓄へ、口に腥※....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
紀に、この頃百姓法律に背いて、ほしいままにその情に任かせて髪を剪り鬢を※し、輙く
法服を着けて貌を桑門に似せ、情に奸盗を挟むともみえている。さらに『霊異記』をみる....
「濫僧考補遺」より 著者:喜田貞吉
どを要しなかったものらしい。これは彼らが本来私度の僧で、「私に自ら髪を落し猥りに
法服を著け」たものであったから、国法の上ではこれを僧侶とは認めなかったのだ。しか....