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「法権〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

法権の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で、お近は一と足おくれて帰って来て、そっと音羽の屋敷に忍び込んだ。 一種の治外法権《ちがいほうけん》ともいうべき旗本屋敷に潜伏して、無事に月日を送っていれば、....
無惨」より 著者:黒岩涙香
感心した、何にも手掛りの無いのを是まで見破ぶるとは、成る程築地には支那人が日本の法権の及ばぬを奇貨として其様な失敬な事を仕て居るかナア、実に卓眼には恐れ入た」谷....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
、自国人同志が、同胞愛で、罰金か、拘留か、説諭くらいですんじまう。中国人が、治外法権、領事裁判の撤廃を絶叫するのは、こんなところから原因していた。 女と百姓を....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
蔵も見のがすことはできなかった。外来の強い刺激がそれだ。当時この国の辱とする治外法権を撤廃して東洋に独立する近代国家の形態をそなえたいにも、諸外国公使はわが法律....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
わすが、はなはだ快からざりしなり。今やその浪子と姥の幾はようやくに去りて、治外の法権|撤れしはやや心安きに似たれど、今もかの水色眼鏡の顔見るごとに、髣髴墓中の人....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
人間を怯懦にし、煩瑣にし、野卑にし、放肆にする。我々は電車に乗る度毎に礼譲の治外法権を目撃して人間の美性が電車に傷られつゝあるを感じる。 ▲門外から見ると文人....
続獄中記」より 著者:大杉栄
が、囚人の中には、どんな懲罰を、幾度食っても獄則を守らないで、とうとう一種の治外法権になっている男がある。どこの監獄でも、いつの時にでも、必ず一人はそういう男が....
ドレフュー大疑獄とエミール・ゾーラ」より 著者:幸徳秋水
なれば也。服従の世界なれば也。道理や徳義の此門内に入るを許さざれば也。 蓋し司法権の独立完全ならざる東洋諸国を除くの外は此如き暴横なる裁判、暴横なる宣告は、陸....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
紙を賑わすに至っても、かね」 「天下の名門婦人が競って店に集るに至れば、益々治外法権さ」 「次第に悪評が立って、イカサマの美人術であることが天下に喧伝された場合....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
班を決定するものは、軍人と重臣であつた。このようにしてできあがつた政府は、その立法権を行使して国民の意志や利益とはまつたく相反した悪法を、次から次へ無造作に制定....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
にも何もならぬと思いました。前金の受け取りを取っても相手は山猿同様……まるで治外法権のような山村のことで、当の相手が人別にもないような男である。その他のものでも....
秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
六人とを刑戮し、その後、そのことに就いて、マニラ総督より抗議の使者が来るや「治外法権の設定なき以上、各国の在留人は、日本の法律に従うべきである」と突刎ね、あくま....
ローマ法王と外交」より 著者:国枝史郎
五年間に五代の法王に仕え、やがて一〇七三年に法王の位に即いたが、一旦法王となるや法権伸張と教界粛清とに全力を尽し、その英雄の資を発揮して、諸事に大改革を加えた。....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ぬのであります。日本に居住するものに対し日本の裁判権の及ばざることは、一種の治外法権であって、完全なる独立というわけには参りません。 加えて、領土問題について....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
(一巻六号四三頁)によると、かの地方には切支丹信徒が、政府の迫害を避けて半ば治外法権なるエタ部落に隠れたのが多かったという。これには反対の通信もあって、自分はま....