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「法然頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

法然頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
《つまず》きぬ。老夫《おやじ》は横様に薙仆《なぎたお》されて、半ば禿《は》げたる法然頭《ほうねんあたま》はどっさりと美人の膝に枕《まくら》せり。 「あれ、あぶな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
過ぎるせいか、前こごみに歩いていると、身体が頭に引きずられそうで、ことにその頭が法然頭《ほうねんあたま》――といって、前丘《ぜんきゅう》は低く、後丘は高く、その....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
さしあげて、やがてお席を母屋の方へ移しましょう。」で、辞退も会釈もさせず、紋着の法然頭は、もう屋形船の方へ腰を据えた。 若衆に取寄せさせた、調度を控えて、島の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は三百六十音がある」 今、弁信というおしゃべり坊主は、その異形《いぎょう》なる法然頭《ほうねんあたま》の中で何の世界のことを考え、その見えざる眼で、どれだけの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ておるのでございます」 と言って弁信は、力なくも足を運ぼうとしましたが、また急に法然頭《ほうねんあたま》を振り立てて、 「え、わたくしに待てとおっしゃいますか。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
向って合掌した後に、軽やかに、その中にくるまって、左の脇を下にして横になり、その法然頭をくくり枕の上に落しました。 そうして、彼は今、すやすやと思い入りの快眠....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れさえ消滅すれば問題はないのですから、そのまま引返そうとした途端に、弁信は、また法然頭《ほうねんあたま》を左右に振って、杖を路傍の木蔭に立てなければならぬ事態の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てて、小首をかしげてしまったのは、湖岸としての感覚と、古城址としての風物が、その法然頭《ほうねんあたま》の中で混線したからではありません。そこで、意外にも、例の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ません、ところの幽閑がかえって魔縁を引くと覚えました」 例によって、仔細らしく法然頭《ほうねんあたま》を振り立ててかく言いますと、庵の縁の柱のところに行って、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
どころなく、かぶり物を廃していたのかも知れないが、もう一つには、その自慢(!)の法然頭《ほうねんあたま》を振り立てるためには、素《す》であった方が見栄《みば》え....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《こむそう》の姿をして、身には一剣をも帯びておりません。弁信は例のころもを着て、法然頭《ほうねんあたま》を網代笠《あじろがさ》で隠しておりました。二人ともに杖は....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
主はひきつづき、海の中に漂う海月《くらげ》のように、小路《こうじ》の暗いところで法然頭《ほうねんあたま》を振り立てて、 「わたくしが琵琶を習いはじめにお師匠さん....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
けにはゆきません。 弁信は、宮の台の原のまんなかに立って考えました。時々、その法然頭《ほうねんあたま》を左右に振りながら、そうして、せっかくの提灯の中の蝋燭《....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ているそればかり。町内の若い者、頭分、芸妓家待合、料理屋の亭主連、伊勢屋の隠居が法然頭に至るまで、この床の持分となると傍へは行かない。目下文明の世の中にも、特に....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
に、海豚が三頭、渋柿をぶら提げたような恰好で、傘の辻から紅屋の店へ入ったが、私は法然頭の老主人をはじめ、店に居る人たちの外に、別に、「いや、昨夜は――」とその店....