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「法界坊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

法界坊の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
女のふとった膝《ひざ》へ脛《すね》を上げようという輩《やから》じゃ。 (これや、法界坊《ほうかいぼう》。) なんて、天窓《あたま》から嘗《な》めていら。 (異....
道灌山」より 著者:宮本百合子
は云うけれども、その演芸画報には、お化けの芝居の写真があった。お岩だの、かさね、法界坊など、すごいお化けだった。これらのお化けは、いつもやぶけた提灯だの、墓場の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
遊覧のために、大津へ先着をして参りました。 そうして、三井寺へも参詣をすませ、法界坊の鏡供養も見て、今日は舟を一ぱい買いきって、これから瀬田、石山方面の名所め....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かぬもてなしぶり。お角さんを松の根方の正座に据え、そこへ山湖の珍味を取並べ、例の法界坊まがいの茶人がそそり出て、お角さんの前へ恭《うやうや》しく銚子を捧げて、 ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
の所作事《しょさごと》の物売と言えば、まず、乗合船の『白酒売《しろざけうり》』。法界坊の『荵売《しのぶうり》』。それから団扇売、朝顔売、蝶々売。……魚のほうでは....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
だった。 翌十五年一月号の「苦楽」へは、生まれてはじめて自作自演落語と題して「法界坊と俄雨《にわかあめ》」を発表した。折柄の俄雨に傘を借りにきた男が、破れ傘に....
早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
ようだともいうところから、豆店の名が出たのだろうが、住んでいる連中というのがまた法界坊《ほうかいぼう》や、飴売りや、唐傘《からかさ》の骨をけずる浪人や、とにかく....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ったに相違ない。まだその上に中村|芝翫は一月二十五日、美濃の多治見の旅興行先で、法界坊の宙乗りを仕損じて舞台に落ちて、右の足をくじいた。幸いに全治したが、その後....
大岡越前」より 著者:吉川英治
変り果てた見すぼらしさを、蔑み嘲った。 「どうしたい。すっかり痩せ細って、まるで法界坊そッくりじゃねえか。おたがい、米の虫同士が、ウヨウヨと米の喰いつぶしッこを....