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法網
「法網〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
法網の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
かどわかし! 女衒は人を買って人を売る公然の稼業《かぎょう》です。かどわかしは
法網をくぐりながら、人を盗み、人をさらって売る暗い稼業《かぎょう》です。女衒とて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ければ、町方の者が自由に活動することを許されない。それを付け目にして、寺門前には
法網をくぐる者が往々ある。その欠陥を承知していながら、先例を重んずる幕府の習慣と....
「地獄街道」より 著者:海野十三
に不思議な酒作りがある。それは禁止の酒を作っては、高価ですき者に売りつけるのだ。
法網をくぐるために、酒瓶の如きも普通のウイスキーの壜に入れ、ただレッテルの上に、....
「山吹町の殺人」より 著者:平林初之輔
もとはみんな自分のためだ。自分を愛すればこそ、嘉子はあんな大胆なことをしたのだ。
法網をくぐるのはよいことではないが、あの女が法のさばきを受けるとなると、自分は手....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
る者でなくては、法律家たる資格がない。カランが、無証事件を変じて有証事件となし、
法網をくぐろうとした横着者を
法網に引き入れた手際《てぎわ》は、実に法律界の張子房....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、この庵の秘密は知らない。
島抜けの法印は、婦女|誘拐《ゆうかい》を職とする、
法網くぐりの女衒《ぜげん》たちのために、仲宿をすることもあるので、女わらべの泣き....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
の弁護士が利益の寡《すくな》い事件に冷淡だったり、自分の依頼者を勝たせるためには
法網を平気でくぐったりするのに正義派的憤慨で、勉強をお始めんなったのよ。また、女....
「旅愁」より 著者:横光利一
発見し合って来るのであった。これが例えば日本で議論をするとなると、忽ち終局は必ず
法網に触れて来るので、どちらも黙ってそれ以上の議論はうやむやの中に引っ込めてしま....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
み》というものがついていて、鼠賊《そぞく》をひっとらえるのとはこと違い、源十郎を
法網にかけるためには一応前もってこのほうへ渡りをつけなければならないし、丹下左膳....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
う人物。モグリの商事会社もやっているし、あの手この手のイカサマ、きわどいところで
法網をくぐっているのがフシギなくらい。しかし野球のスカウトとしてだけは、実績をあ....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
はじとうふう》たる而已《のみ》ならず憂国の志士《しし》仁人《じんじん》が、誤って
法網《ほうもう》に触《ふ》れしを、無情にも長く獄窓に坤吟《しんぎん》せしむる等、....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
なのじゃ?」 「…………」 「無職渡世などと申しているが、お上で許さぬ博奕をし、
法網をくぐって日陰において生くる、やくざもの、不頼漢ではないか!」 「…………」....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と必然に、人間が殖える、人間の中の種々な善業悪業が相剋し合う。制度が要る、制度の
法網を潜る方も活溌になる。そして栄えを祈る文化を打ち建てながら、その文化の下で、....
「最近の犯罪の傾向に就て」より 著者:野村胡堂
びないと思う。 経済犯罪でも、許し得る犯罪と許し得ないものとある。一番悪いのは
法網をくぐってやる犯罪、あてのない多数の人を犠牲にするというような、例えばメチー....
「予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
どね、」それから数日たって、この問題に話がふれた時、ソーンダイクはいった。「彼が
法網をのがれたとしても文句はいえないのだ。なぜというに、これは明らかに恐喝事件だ....