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泛かぶ
「泛かぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
泛かぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
て、そのむごたらしい怖ろしい顔を眺めているばかりであった。その場合、だれの胸にも
泛かぶのは、彼女とお春との関係であった。お春がむかしの復讐のために、何かの手段を....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
を洩らした。 「おお、よう致した。さすがはお身じゃ。男でも並々の者ではその分別は
泛かぶまい。表向きには申されぬことじゃが、わしもひそかに塩冶を救うてやりたいと存....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
とも思われない。柩をかこんで暁を待つ通夜の人々や、榊の前の白い灯がふと武蔵の眼に
泛かぶ――
「――自分より一足先に死んでいる人がある」
あしたは、死出の山で、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
洩らしていた。 「――わしの性分か。わしは大河のこの悠久な趣が妙に好ましい。川へ
泛かぶと、心もいつか暢々してくる」 「まことに」 右馬介は、すぐ相槌を打った。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
を、きり出してみた。 「たしかに、どこかで見た女性には相違ないが、さて俄に、思い
泛かぶところもない。それに御辺のものごしといい、よも、お夫婦とも、根からの舟芸人....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
を仰いだ。「――そちには信じられまい」と、いつか帝にいわれたあのことばがふと頭に
泛かぶ。 「どうだな、小宰相どの」 「…………」 「ここでは、みかどの夜のお伽に....