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「波状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

波状の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犯人」より 著者:太宰治
窪《おぎくぼ》、……おそい、実にのろい。電車の窓のひび割れたガラスの、そのひびの波状の線のとおりに指先をたどらせ、撫《な》でさすって思わず、悲しい重い溜息《ため....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
に絡《から》み付けられた場合、格子縞は「いき」の多くを失ってしまう。縦縞が全体に波状曲線になっている場合も「いき」を見出すことは稀《まれ》である。直線から成る割....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
なしたものと見受ける。 ◯大本営発表によれば、来襲機は百七十機で、四時間にわたり波状投弾し、焼夷弾の前に爆弾を投じた。 宮城大宮御所の建物にも損傷あり、まもな....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
は、濃度差による対流渦の結果であることは疑いもないことであろう。 対流渦による波状雲のことは今さら述べるまでもないが、これに類似の縞は、近ごろ「墨流し」の実験....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
れはプロペラではないようで、中心軸はあったが、翼にあたるところはプロペラのように波状をなしておらず、真直に平面的に伸びていた。よく磁針にそういう形をしたものがあ....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
帰途十時ごろ、神田駅のプラットフォームで集団スリにとりかこまれて、集団タックルの波状攻撃をうけて全滅したのである。プラットフォームにはほかに乗客もたくさんいて、....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
行くのである。塔爾巴哈台までの行程にはただ禿げ山があるばかりだ。一望百里の高原は波状をなしてつづいている。ところどころに湖水があって湖水の水は凍っていた。馬と駱....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
は毛で、皮膚の上へムックリとして被いかぶさり、長い処、短い処、渦を巻いている処、波状になった処、撥ねた処、ぴったりと引っ附いた処と、その毛並みの趣が、一々実物の....
歌の口調」より 著者:寺田寅彦
が、ただ一つ二つ気の付いた事がある。 この曲線は上がったり下がったり、不規則な波状を画いているが、この波の一つの峰から次の峰までの文字数がかなり広い範囲内で色....
想像と装飾の美」より 著者:岸田劉生
、装飾美術になる。古代の器具や、野蛮人や農夫の器具に何ら自然物にたよらぬ線状で(波状輪状等)美くしい装飾のあるのは即ちその一例で、その他建築の屋根の曲線や、瓶壺....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
た頓着しない、すべてのものを忘れたという音調で誦するのである。 船は水面を横に波状動を起して、急に烈しく揺れた。 読経をはたと留め、 「やあ、やあ、かしが、....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
である。私は雑誌『山岳』によって烏水氏の白峰に関する記述を見、その山の空と相咬む波状の輪廓、朝日をうけては紅に、夕日に映えてはオレンジに、かつ暮刻々その色を変え....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
雲岳、東の赤岳、北の黒岳の主峰など、ほんの少しばかり突起するだけにて、見渡す限り波状を為せる平原也。その平原は一面の砂石にして、処々に御花畑あるのみにて、目を遮....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
り嶮しくもなく、余り行進し易くもない。 我には有利で、敵には危険だ。 我兵があの波状をなしている平地に半ば隠れていれば、 敵の騎兵もうかとは来ません。 ....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
した。中尉の命令で一雄は彼のあとから乗りました。ジープは超スピードで、シベリア大波状地帯のいくつかの丘を越え、かれこれ三十分近くも走りましたでしょうか、あんなに....