泣かされる[語句情報] » 泣かされる

「泣かされる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泣かされるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
れでもまだ夫がどこかに生きているように思われて、それを待ちつづける寂しい気持ちに泣かされるのだった。――あの時、工場から届けてくれた夫の骨を、疑えば彼女はいくら....
党生活者」より 著者:小林多喜二
・ブック》かな?」と自分で云った。 私と伊藤は――思わず噴《ふ》き出した。が、泣かされるときのように私の顔は強わばった。 「どんなことがあったって、こゝの組織....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
たでしょ。」 「お安くないのだな。」 「何、いとしゅうて泣いてるだか、しつこくて泣かされるだか、知れたものではないのだよ。」 「同じ事を……いとしい方にしておく....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
させられた。こいつも、売られて行く、頑是《がんぜ》なく、今は何も知らねえが、今に泣かされることだろう……と米友は身にツマされてくると、自分たちというものと、ムク....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
いるお手許使いの姪《めい》のおたきがよばれるが、もともと機嫌を損じているのだから泣かされるまで幾度も結い直させられる。そうなると芝居なんぞは何時からでもよいとな....
弱者の糧」より 著者:太宰治
けは、全く世間と離れている。あんな、いいところは無い。 私は、たいていの映画に泣かされる。必ず泣く、といっても過言では無い。愚作だの、傑作だのと、そんな批判の....
生前身後の事」より 著者:中里介山
わけであった、松岡君も斯ういう処はなかなかいい肌合があるので、我輩もその意気には泣かされるものがあった、しかし福日との契約が最早や厳として成立しているのである、....
魔都」より 著者:久生十蘭
凄まじい面つきで岩井の方へ這って行く。岩井もさすがに扱いかねて、 「こいつには泣かされる、食いものを当てがわないと、たちまちあばれやがる。こっちへ、来い」 ....
かもめ」より 著者:神西清
するんだ。論より証拠、だいいち自尊心がな…… アルカージナ あの子には、ほんとに泣かされるわ! (考えこんで)勤めに出てみたらどうかしら…… ソーリン (口笛を....
性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
すこしも寛ろいだ気のするときのないことや、よく表に融通したかねのことなどで絶えず泣かされることを聞くと、私は「表もずいぶん酷いやつだ。」と考えるようにもなった。....