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「泣きっ面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泣きっ面の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
父を失う話」より 著者:渡辺温
はただ自分一個だけになって途方に暮れた。 「君、そんな蒼い顔しちゃいやだよ。……泣きっ面なんかしてると汽車の中へ置いてきぼりにしちゃうから!」父はまたずけずけと....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
するがいいのさ。白い黒いはお上で決めて下さるだろう」 「知れたことさ。そのときに泣きっ面をしないがいい。さあ、もう行こうよ」 小三は弟子たちをみかえって表へ出....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
じやしないわ。それでとうとう一晩|拘留させられたのよ。痛快じゃないこと、ところが泣きっ面に蜂というのは爺さんが警察に宿っている晩に、無電小僧に入られたのよ。この....
風波」より 著者:井上紅梅
盛上げ七斤の眼の前に突きつけ、「お前さん、早くおまんまを食べておしまいなさいよ。泣きっ面をしたって今さら辮子が延びるもんじゃない」 太陽は末端の光線を収め尽し....
日置流系図」より 著者:国枝史郎
|頭の忠蔵は中で一番若輩の小六というのへ顎をしゃくったがいっかな小六が聞かばこそ泣きっ面をして首を縮めた。 「チェッ」と忠蔵は舌打ちをしたが、「由さんお前お輿を....
魔都」より 著者:久生十蘭
て来る一台の自動車。その中には私服らしいのが三人までも乗っているので。 加十は泣きっ面になり、ついさっきの決心も挫けかけて来たころ、どうやら自動車が停った様子....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
さい」といって、それから一人で尾根伝いにのぼっていってしまった。 コン吉は急に泣きっ面になって、 「やや、これは困った。ここへおいてゆかれたんでは進退きわまっ....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
時、十字架の倒れる時、――それこそはヨーロッパ臨終の日である。 *80泣きっ面は、いくらでもあり、どれも一様に醜いものだ。 僕はけっして涙を流すまい....
樹氷」より 著者:三好十郎
。 壮六 見ろ、そう言う量見だ、お前は! そう言う量見だからヱハガキなんぞ抱いて泣きっ面あかくことになるんだ、馬鹿! 今夜帰れなかったら、ここに泊りゃええのだ。....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
どうも、壇ノ浦以後の義経は、意気地がなさすぎる。なぜおめおめ都を立ち退いたのか。泣きっ面に蜂、そんな退嬰的だから、難船の憂き目にも会ったりする。――あげくに、き....