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「泣寝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泣寝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
と僕は肩を軽くゆすぶられて眼をさましました。僕は先生の部屋《へや》でいつの間にか泣寝入りをしていたと見えます。少し痩《や》せて身長《せい》の高い先生は笑顔《えが....
「勝負事」より 著者:菊池寛
時初めて、父からきいたのです。むろんその時は、父の話を聞くと、二の句が次げないで泣寝入りになってしまったのです。 その後、私は成長するに従って、祖父の話を父と....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
妹が聟養子をとるとあれば、こちらは廃嫡《はいちゃく》と相場は決っているが、それで泣寝入りしろとは余りの仕打やと、梅田の家へ駆け込むなり、毎日膝詰の談判をやったと....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
酒を飲干して、「ところが同僚は極の好人物《ひとよし》だもんだで、君どうでしょう、泣寝入さ。私は物数寄《ものずき》にその番人を見に行きやした。丁度、直江津の二番が....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
とが表沙汰になれば、家断絶ぐらいの御咎めをうけないとも限りませんから、残念ながら泣寝入りにするより外はありません。今年十五になる丹三郎という息子さんは、お父さん....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
ら、こっちだって、黙って引っこんでは居れんぞ。」 「うむ、そうだ、そうだ。黙って泣寝入りは出来やせん！」 Ｋ市へ出かけて行った連中は埒があかなかった。 「やっ....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
ら、まあ、当分これで続けて見せえ。」 斯う森山から言われて、其処の小作人達は、泣寝入の気持で細い収穫を続けて行った。今によくなるに相違ない！ 今によくなるに相....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
ても出来ない相談の出来よう筈のなきことゆえ、いかなる鼻もこれには弱りて、しまいに泣寝入となるは必定、ナニ御心配なされまするな、」と説く処の道理なるに、お通もうか....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
落ちない蚊トリセンコウ、火のつかないマッチ、こんなものは人は買わない。配給だから泣寝入り、目下中世であるから、政府も地頭と変りはなく、申すまでもなく野武士の一味....
「便乗型の暴力」より 著者:坂口安吾
が、観衆がこれを看破して抗議するのは当然のこと、イカサマが明瞭と知れても素人衆は泣寝入りときまった昔の賭場にくらべれば、民主国のホマレここにありと言うべきかも知....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
。妻の不貞に制裁を加えることができず、妻の自由意志なら芸者になったのも仕方なしと泣寝入りせざるを得んのが民主時代なら一家心中かムリ心中したくなるのが当然だと彼は....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
衆の、今日此頃の勢い、御同行衆のみんな、やみやみ三井寺方の言い条を、その儘聴いて泣寝入りとは、どうしてもわしには考えられんのだ』 おさき『わたしにも、そう思われ....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
て営業者が弁償の責を負うと云う事になったが、それも殆ど有名無実で、所詮は被害者の泣寝入りに終った。それでも湯屋へ美服を着てゆくのは止まなかったのである。 昔か....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
教の名をもってかえって国民を虐げる場合が沢山ある。そうされる時分には人民はもはや泣寝入りです。あるいはこんな事なればむしろ仏教などはなくてもよいという考えを起す....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
頂きますわ。結局私はあなたに欺されたという結論になるんですから。しかし欺されて、泣寝入りに終ってしまう女だかどうだか、私という人間を一番よく知っていらっしゃるの....