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泣面
「泣面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
泣面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
きかえ》にどうぞお返しなすって下さい」 蟠「何《なん》と、そんなに顔色を変えて
泣面《なきつら》をするな、これは百金だな」 友「左様で、百両借りたから百両持っ....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
外にも来ようと思えば土曜の晩かけて日曜に来られるさ……」 「ほんとに済みません。
泣面《なきつら》などして。あの常さんて男、何といういやな人でしょう」 民子は襷....
「地中魔」より 著者:海野十三
まく一杯喰わされ、逆さに梁に釣り下げられている癖に、「いまに日本国中の人間どもが
泣面をかくぞ、ざまア見やがれ」と大きなことをいっているのは、怪盗とはいえ、なんと....
「少年時代」より 著者:幸田露伴
り合って、さあ来いというので角力を取る、喧嘩をする。正行が鼻血を出したり、陳平が
泣面をしたりするという騒ぎが毎々でした。細川はそういうことは仕ない大人のような小....
「縮図」より 著者:徳田秋声
んところのお母さんが亡くなるちょっと前だよ。」 赤ん坊は眠り足らず、銀子の膝で
泣面をかき、ぐずぐず鼻を鳴らし口を歪めているので、銀子も面白く、どの赤ん坊もこう....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
持で、事務所で春日に金を渡して別れてから、幾日かたった。春日に金を渡すとき庸三は
泣面をかいていたが、しかしまた一面には今まで立ち迷っていた雲の割れ目から青い空が....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
の足元を見て、押附けものをしたようなもんだ。」とブツブツ零している。 お作は、
泣面かきそうな顔をして、術なげにうつむいてしまう。 「明日から引っ込んでるがいい....
「足迹」より 著者:徳田秋声
や、痩せた手容などを横目に眺めていた。 汽車の窓から、弟は姉の方へ手を拡げては
泣面をかいた。 お庄は父親に、巾着のなかから、少しばかりの銀貨まで浚われて、と....
「黴」より 著者:徳田秋声
お銀は自信がありそうに言った。 老人のような皺を目のあたりによせて、赤子は
泣面をかいた。胴の長い痩せぽッちなその骨格と、狭い額際との父親そっくりであるほか....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
鼓持まで又市の跡を付けて来まして、 小「あれさ、お上役に逢っては一言もないからさ
泣面してさ、
泣面は見よい物じゃアないねえ、あの火吹達磨や、泣達磨や、へご助や」 ....
「天馬」より 著者:金史良
「一種の保護観察なんですのね、思想犯じゃないけど……」 「そうなんですよ」と彼は
泣面をかきながらおろおろ声をしぼった。「僕は明後日までには坊主になってお寺へ行か....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てるな。これ貴様も、苗字帯刀《みょうじたいとう》許されの家に生れた男ではないか、
泣面《なきづら》かかずと潔《いさぎよ》く申し上げてしまえ」 「知らぬことは申し上....
「怪塔王」より 著者:海野十三
にしがみつきました。さきにはモーターが故障で、いままた磁力砲の具合がわるいとは、
泣面に蜂がとんできてさしたように、災難つづきです。 「いや、実はさっきから磁力砲....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いうことを別にして見せるんだ」 「また、笹子峠のように遣《や》り損《そく》なって
泣面《なきつら》をかかねえものだ」 「ナニ、あの時だって、まんざら遣り損なったと....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
ぞ。笑っとけ、畜生、笑っときやがれ! 一時間とたたねえうちに、手前らは笑う反対に
泣面をかくんだ。死ぬ奴は運のいい奴だぞ。」 そして、恐しい罵り言葉を吐いて彼は....