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「泥坊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泥坊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
した。この※陀多と云う男は、人を殺したり家に火をつけたり、いろいろ悪事を働いた大泥坊でございますが、それでもたった一つ、善い事を致した覚えがございます。と申しま....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
この間――」 しばらく沈黙が続いた後《のち》、保吉はこう話しかけた。 「ええ、泥坊《どろぼう》を掴《つか》まえ損じまして、――」 「ひどい目に遇《あ》ったです....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
の、できないのと、そんなことを苦にするおまえさんでもなかろうじゃないか。私だって泥坊に伯父《おじ》さんがあるのじゃなし、知りもしない人を捉《つかま》えて、やたら....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
を蹴放して本所の方へ逃げてしまった。あいにくの雪で往来も途切れているので、お光が泥坊泥坊と呼ぶ頃まで誰も救いに来る者はなかった。彼女の泣き声を聞き付けて二、三....
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
れを撲ったな。――おや、またおれの剣も盗んだな? 第三の盗人 何だ、このマントル泥坊め! 三人の者が大喧嘩になる。そこへ馬に跨った王子が一人、森の中の路を通りか....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
て長孫無忌に七宝帯を賜わった。そのあたい千金である。この当時、段師子と呼ばれる大泥坊があって、屋上の椽のあいだから潜り込んで無忌の枕もとに降り立った。 「動くと....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ぬすんで行ったと、店のおかみさんが甘酒を汲みながら口惜しそうに語った。 「あいつ泥坊だ。」と、三つばかりの男の児が母のあとに付いて、まわらぬ舌で罵った。この児に....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
が一匹の猴を連れて城内に入り込んだという報告があった。 「それは世間に名の高い大泥坊だ」と、呉は言った。「まず何げなく、人の家を訪問して、家内の勝手を見さだめて....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
のトランクは煙のように消えてしまったのである。庭の植込みに隠れていたかもしれない泥坊《どろぼう》の詮議《せんぎ》や、一応は疑われた婆やさんのこと、酒田の物忘れに....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
ました、どうぞ御勘弁を――つまらんものを残して行くなんて、まことに人を莫迦にした泥坊の仕打でございまするな。手前如きでさえ、この画を見るとむかむかとしてまいりま....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
極めて普通の古い柱時計を指しているのであるから、さてこそ上は財閥の巨頭から、下は泥坊市の手下までが、あわてくさって、椅子とともに転がった次第である。 後日の調....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
として、そういう趣味に富んだお話をきかして下さればよろしいので、なにも人殺しとか泥坊とかいうような警察事故に限ったことではないのでございます。そこで、どなたから....
西瓜」より 著者:岡本綺堂
に取押えて詮議すれば好かったのだが、なにしろ若い者が大勢あつまっていたので、この泥坊めというが否や、鋤や鍬でめちゃめちゃに撲り付けて、とうとう息の根を留めてしま....
火薬庫」より 著者:岡本綺堂
として、そういう趣味に富んだお話をきかして下さればよろしいので、なにも人殺しとか泥坊とかいうような警察事故に限ったことではないのでございます。そこで、どなたから....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
み出して、用意の麻袋に詰めている。それを見すまして中二は跳り出づ。) 中二 この泥坊……。 (中二は第一の男の襟髪をつかんで引き倒せば、第二の男は袋をかついで逃....