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泥水
「泥水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
泥水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ごとく、一団の殺気をこめて、朱雀大路《すざくおおじ》へ押し出すと、みぞをあふれた
泥水《どろみず》が、くぼ地くぼ地へ引かれるようにやみにまぎれて、どこへ行ったか、....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
。小えんの如きはその例じゃないか? 昔から喉《のど》の渇《かわ》いているものは、
泥水《どろみず》でも飲むときまっている。小えんも若槻に囲われていなければ、浪花節....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
酒井は、主税を見向きもしないで、悠々とした調子になり、 「そりゃ可い事をした、
泥水稼業を留めたのは芽出度い。で、どこに居る、当時は………よ?」 「私はよく存じ....
「超人間X号」より 著者:海野十三
二三歩走ったと思うと、庁舎は大きな音をたてて、決潰《けっかい》ダムの下のさかまく
泥水《どろみず》の中へ、がらがらと落ちていった。 「ああ、助かってよかったよ。ね....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
どぶんとその身は濁水《だくすい》の中に落ちてしまった。そして彼は、いやというほど
泥水《どろみず》をのまされた。 時間は迫る。 「だんだん苦しくなるぞ、それより....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
枝は、あっといって、自分の服をあらためてみたが、いいあんばいに、べつにどこにも、
泥水がとんでいなかった。 その自動車はそのまま、どんどん走っていったが、しばら....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
て、一郎の足許で猛烈にあばれだしたから、さあ、たいへんであった。一郎の顔も服も、
泥水をぶっかけられて、目もあけていられない。跳ねている怪物は、目の下半メートルも....
「転機」より 著者:伊藤野枝
いったような態度で、足袋をぬいで裾を端折ると、そのまま裸足になって、ずんずん沼の
泥水の中に入って行った。私はいくらか沼の中とはいっても、せめてそこに住んでいる人....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
覚悟をして石滝へ入ろうとすると、どうでございましょう。四五間しかないそうですが、
泥水を装って川へ一時に推出して来た、見る間に杭を浸して、早や橋板の上へちょろちょ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
けれども、こう、じとじとして、湿っぽくッて、陰気で、そこらに鯰でも湧出しそうな、
泥水の中へ引摺込まれそうな気がしたんで、骨まで浸透るほど慄然々々するんだ。」 ....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
すか?」 「エエ……」 「この液体はナンであるですかッ?」 「これかネ――これは
泥水でさア」 「アノ
泥水――土の粒子を飽和した水……だと言うのかネ」 科学者は....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
判然と、電撃のごとく閃いてきたからである。――村から東京方面へ娘を出かせぎに――
泥水商売の女に出している家に限って租税の滞納がない。ことに三人の娘を出している家....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
意気込んで咄した。 この結論に達するまでの理路は極めて井然としていたが、ツマリ
泥水稼業のものが素人よりは勝っているというが結論であるから、女の看方について根本....
「赤兵の歌」より 著者:江森盛弥
そうなビルディングの足塲から下りて来たのだ。 俺達は街の鋪道から―― 地下工事の
泥水の穴の中から匍い出して来たのだ。 俺達は汽関車の胴の中から 煤だらけの顔をし....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
す通り少くとも一間半あまりの溝のことである。この溝は僕の知っていた頃にはもう黒い
泥水をどろりと淀ませているばかりだった。(僕はそこへ金魚にやるぼうふらをすくいに....