泥路[語句情報] » 泥路

「泥路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

泥路の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
服装に就いて」より 著者:太宰治
ットに両手をつっこんだままで、軽く虚空を蹴《け》ると、すぽりと抜ける。水溜りでも泥路でも、平気で濶歩《かっぽ》できる。重宝なものである。なぜそれをはいて歩いては....
夜の靴」より 著者:横光利一
来るとこんなものだ。 九月――日 馬の足跡にしみ込んだ雨水に浮雲の映っている泥路、この泥路を一里、大豆の配給を受けに妻と私と二人で行く。配給所へ着いてもまだ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
八つ時まで――どっと落ちて――思い直《なお》したように止みやがった。へん、お蔭で泥路《しるこ》だ――勘弁ならねえ。」 勘弁勘次はこんなことを呟いて一生懸命水溜....
雪の武石峠」より 著者:別所梅之助
善さんとこ聞いて、来い、音さんどうだ」の末、ないという。さらばと二人は身支度して泥路をふむ。ゆく事しばし案内者を求めえて、雪斑なる聖山をのぞみつつ、県道を進む事....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
、佐太郎はふと、ニユーギニヤに渡る前、中支は蕪湖のほとりで舐めた雨季の膝を没する泥路の行軍の苦労を思い出した。 過労で眼を赤くした馬の腹から胸は、自分がビシヤ....
死児を産む」より 著者:葛西善蔵
れを買いに出て行った。――もう三月一日だった。二三日前に雪が降って、まだ雪解けの泥路を、女中と話しながら、高下駄でせかせかと歩いて行く彼女の足音を、自分は二階の....