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「注ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

注ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
の軽蔑を持っていた。なぜかというと、歌にしても、発句にしても、彼の全部をその中に注ぎこむためには、あまりに形式が小さすぎる。だからいかに巧みに詠《よ》みこなして....
河童」より 著者:芥川竜之介
ようと思ったのです。」 「その子どもは?」 巡査ははじめて相手の河童へ鋭い目を注ぎました。 「一週間前に死んでしまいました。」 「死亡証明書を持っているかね?....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
を移してしまいました。するとお敏も急に夢から覚めたように、涼しい眼を泰さんの顔に注ぎながら、「ええ、あの人なんでございます。」と、口惜しそうに答えたそうです。「....
想片」より 著者:有島武郎
本当に考えてみると、その人の生活に十分の醇化《じゅんか》を経ていないで、過去から注ぎ入れられた生命力に漫然と依頼しているのが発見されるだろう。彼が現在に本当に立....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
つ、踏み段の上に躍れり。ひとり御者のみは喜ぶ気色《けしき》もなく、意《こころ》を注ぎて馬を労《いたわ》り駈《か》けさせたり。 怪しき美人は満面に笑《え》みを含....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
一杯おみきを遣わされ、と咽喉をごくごくさして、口を開けるで、さあ、飲まっせえ、と注ぎにかかる、と幾干か差引くか、と念を推したげで、のう、ここらは確でござりました....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
を脱いだように濃い浅黄の影が消える、と露の垂りそうな清い目で、同伴の男に、ト瞳を注ぎながら舞台を見返す……その様子が、しばらく立停ろうと云うらしかった。 「鍋焼....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
中に丈たかきは、あれ誰やらむ、と見やりしわれを、左なる女木戸を入りざま、偶と目を注ぎて、 「おや、お師匠様。」 また一|人、 「あの、このお子ですよ。」と低声....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
きをするものらしく、くしびな神の力が私から娘に、娘から小供へと一|道の光となって注ぎかけ、とうとう死んだ筈の小供の生命がとりとめられたのでございました。全く人間....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
冷かなる虚礼虚儀を排して、その代りに、陽の光の如く暖かなる内面的の愛を、人の心に注ぎ込んだのである。が、当時の当路者達は、イエスを以て、漫りに新信仰を鼓吹して旧....
」より 著者:秋田滋
い気持ちが漲って来るのでした。彼女の微笑はまた、わたくしの眼のなかに狂的な悦びを注ぎ込み、わたくしに、雀躍りをしたいような、そこらじゅうを無茶苦茶に馳けてみたい....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
だ。ところが、この主人は狂暴な乗り手だったから、おそらく自分の性質をいくぶん馬に注ぎこんだにちがいない。老いさらばえてやつれたりといっても、この馬には魔性がひそ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
娜な、腫ぼったいのをなくなすほど惚れましてな、勤めをよすと、夫婦になって、資本を注ぎ込んで米屋を出すと、鮟鱇にわかに旦那とかわって、せっせと弁天町へ通う。そこで....
活人形」より 著者:泉鏡花
です。早くお飲みなさい。という顔をまず屹と視て、やがて四辺を見廻しつ、泰助に眼を注ぎて、「あれは誰方。泰助は近く寄りて、「探偵吏です。「ええ、と病人は力を得たる....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
や新利根のは、鱸とは思われないのだね。』 斯ること相話しながら、神を二本の綸に注ぎ、来るか来るかと、待ちわびしが、僅に、当歳魚五六尾挙げしのみにて、終に一刻千....