注ぎ込む[語句情報] »
注ぎ込む
「注ぎ込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
注ぎ込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
この文明の利器が現す働きには、健康的で神秘なものを感ずるのだった。 水を口から
注ぎ込むとたちまち湯になって栓口から出るギザーや、煙管《きせる》の先で圧《お》す....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
すことができるのであって、屋根や壁そのものにはない。水さしの役に立つところは水を
注ぎ込むことのできる空所にあって、その形状や製品のいかんには存しない。虚はすべて....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
人々であるのを想えば、なつかしさが込み上げて来る。かの女は儚い幻影に生ける意志を
注ぎ込むような必死な眼差しで、これ等の人々を見渡した。 或る夜のかの女――今夜....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
中心とすれすれに、頭髪の束で結んだ重錘を置いたと仮定しよう。そして、鍵穴から湯を
注ぎ込む。すると、当然湿度が高くなるから、毛髪が伸長して、重錘が紐の上に加わって....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
鋳物工の職工は、どれも顔にひッちりをこしらえたり、手に繃帯をしていた。砂型に鉄を
注ぎ込むとき、水分の急激な発散と、それと一緒に起る鉄の火花で皆やけどをしていた。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ね」 「無論です……北海の方へ行けばモット相違があるでしょう、温められた河の水が
注ぎ込む近海ほど、温度が高いのですね。今年の七月土用の頃、水田の中の水をはかって....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
せ》ぎ貯めというようなものを、本来、酒を飲むではなし、バクチを打つではなし、女に
注ぎ込むという風聞を聞かない男だから、相当に貯め込んで、腹巻かなにかにおさめてい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ートーヴェンやワグナーなどの偉大な魂から流れ出る、善良と光明と力との波が心の中に
注ぎ込むのを感じて楽しかった。愛する同胞《はらから》の顔――あまりに年若くてなめ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
わかに流行してくるのは、それ自身の真価によってではなくて、それを具現しそれに血を
注ぎ込む一群の人々の真価によってである。そして今まで干乾《ひから》びていたその植....
「アインシュタインの教育観」より 著者:寺田寅彦
を促す。こうすれば、言葉と白墨の線とによって、大きさや角度や三角函数などの概念を
注ぎ込むよりも遥かに早く確実に、おまけに面白くこれらの数学的関係を呑み込ませる事....
「省察」より 著者:デカルトルネ
もの、あるいはそれをどのような名前で呼ぶにせよ、何か、まさにこのような思想を私に
注ぎ込むものが存するのではあるまいか。しかし何故に私はこのようなことを考えるので....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
俄然大河の相を具現して湲に移り潺に変わり、とうとうの響きを打って東海道岩淵で海へ
注ぎ込む。富士川|下りの三十里、舟中我が臍の在りかを確と知る人は、ほんとうにまれ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
としているが、気に入った、といわねばならんですよ。 じゃ何だ、医学士はざくざく
注ぎ込む、お夏さんはばらばら遣う、しかも何一つ自分から欲いといったことはないのか....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
本の溲瓶の形になって居る土焼の茶瓶一つを言うのです。その茶瓶に入れて口より茶碗に
注ぎ込むのですが、どうも始めは気味が悪いです。溲瓶から油のどろどろした汁が出るよ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
からない位置におります。彼らは世間に信用させることのできないものを、彼らは自身に
注ぎ込む、女王にいってもだめなことを、世間に向かっていい拡げるのです。……」 二....