注入[語句情報] » 注入

「注入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

注入の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
日の演説と今の言葉とで、それをはっきり言い現わしたのを感じた時、心臓へのある力の注入を自覚せずにはいられなかった。生涯の進路の出発点が始めて定まったと思えた。彼....
振動魔」より 著者:海野十三
の僅かの力でもって子宮壁に付着しているのだった。注射器を使って子宮の中に剥離剤を注入すれば、その薬品が皮膚を蝕すため、胎児と子宮壁とをつないでいる部分の軟い皮が....
夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
とになった。若い男は教わって来たとおり、道具を女の身体に、挿し入れて、或る薬液を注入した。それは或る時間の後になって、成功したことが始めて判った。しかし女は、暫....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
。 「ああ、やっと今気附きましたが、今朝修繕するためにバルーンを降ろした時、瓦斯注入口の弁が開いたままになっていました」 今まで何事か考えていた係の男が、急に....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
出すものではなかった。そして、蔕のないところから推して、そこから泥状の青酸加里が注入されたものと推断された。 法水は果物皿から眼を離して、室内を歩きはじめた。....
カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
いの貨物船が、小蒸汽に曳航されて待っていた。私達が着くと間もなく、扉船の上部海水注入孔のバルブが開いて、真ッ白に泡立った海水が、恐しい唸を立てて船渠の中へ迸出し....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
低いそしてほの温い日ざしを、南向きの厚い硝子《ガラス》の入った窓越しにこの部屋へ注入して来た。 そのとき出入口の重い扉がぎいと内側に開いて、肥《こ》えた赭《あ....
超人間X号」より 著者:海野十三
その時、うしろの廊下から、一人の機械人間があわててとびこんで来た。 「毒ガス注入《ちゅうにゅう》終りました」 「よし、それではすぐに圧縮空気《あっしゅくくう....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
受動的の心の所有者であらねばならぬ。何となれば、本人の心が吸収する丈しか、何事も注入し得ないからである。次にそれは愚かなる人間界の先入主から、全然脱却したもので....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
もこの世界にはいつてきたときはしろうとであつたがためにごくわずかながら清新の気を注入するだけの役割は果したかとうぬぼれているが、現在ではもうくろうとになりすぎて....
」より 著者:犬田卯
とに、その体温計が小綺麗な箱へ入って配給されて来ていた。それは農村人への衛生思想注入のため、どこか厚生省あたりの肝煎りで、特に組合が実行したに相違なかった。 「....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
出るという部屋の中で暗示によって死に至らしめるとか、もっと多いのは室外からガスを注入したりする。このガスなり毒薬なりが被害者を狂気にして、部屋の中を掻き乱させ格....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
人にも予想出来なかった露西亜の大変動に直面せしめたかった。 二葉亭は露国文化の注入者としては先駆者であった。プーシキンやゴンチャローフやドストエフスキーや露西....
四十年前」より 著者:内田魯庵
れて政治が休息期に入ったからだが、一つは当時の欧化熱が文芸を尊重する欧米の空気を注入して、政治家もまた靖献遺言的志士|形気を脱してジスレリーやグラッドストーン、....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
して婦人を教訓するをもって第一手段とす。もし、ひとたび婦人の心中にヤソ教の思想を注入すれば、その思想、これによりて養育するところの小児に伝染するは必然なり。すで....