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注射
「注射〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
注射の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
に唯ぐっすり眠りたかった。実際又甲野は彼の為に催眠薬を与える外にもヘロインなどを
注射していた。けれども彼には眠りさえいつも安らかには限らなかった。彼は時々夢の中....
「母」より 著者:芥川竜之介
た。
「病院に入れ候時には、もはや手遅れと相成り、――ね、よく似ているでしょう?
注射を致すやら、酸素吸入《さんそきゅうにゅう》を致すやら、いろいろ手を尽し候えど....
「河童」より 著者:芥川竜之介
産婆はたちまち細君の生殖器へ太い硝子《ガラス》の管《かん》を突きこみ、何か液体を
注射しました。すると細君はほっとしたように太い息をもらしました。同時にまた今まで....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
る限り、腹を温める一方ですな。それでも痛みが強いようなら、戸沢さんにお願いして、
注射でもして頂くとか、――今夜はまだ中々痛むでしょう。どの病気でも楽じゃないが、....
「或る女」より 著者:有島武郎
《かすい》に陥ったりした。猛烈な胃痙攣《いけいれん》を起こした患者が、モルヒネの
注射を受けて、間歇的《かんけつてき》に起こる痛みのために無意識に顔をしかめながら....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
あ》くまで働いた。そして病気が重ってから、なけなしの金を出してして貰った古賀液の
注射は、田舎の医師の不注意から静脈を外《はず》れて、激烈な熱を引起した。そしてU....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
にあてがってみた後、瞳を見、眼瞼《まぶた》を見、それから形ばかりに人工呼吸を試み
注射をした。肛門を見て、死後三十分くらいを経過しているという。この一語は診察の終....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
った墓を掘ることが出来ない。冷淡だか、残酷だか知れないが、衰弱した神経には過敏な
注射が必要だ。僕の追窮するのは即座に効験ある
注射液だ。酒のごとく、アブサントのご....
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
のに……」と苦笑して、その手術の時のことを話された。 軽い手術だから医者は局部
注射の必要もないと言ったが、夏目さんは強いてコカエン
注射をしてもらった上に、いざ....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
は後ろ向きに坐ったまま、ワイシャツの裾をまくり上げ、医学博士の斎藤さんに神経痛の
注射をして貰った。(島木さんは背広を着ていたからである。)二度目の
注射は痛かった....
「暗号数字」より 著者:海野十三
、帆村を迎えにきた。 「これは麻痺剤のせいですよ。誰かに一服盛られましたね。すぐ
注射をうちましょう」 医師は心得顔に、
注射の用意にかかった。 「やっぱりそうか....
「米」より 著者:犬田卯
だのかよ。今頃はエネルギー絞り上げられっちまって、死んだように寝てべえ。ホルモン
注射でもしてやらなけりゃ、肥料も来めえで。」 そう吐き出してから、「時に――」....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
った。日本人同志の結婚である。 私は京都を出発する前にコレラやチブスや疱そうの
注射をして行ったのであった。よほど用心してゆかないと蒋介石のテロにあったりしてあ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
度不思議に婀娜ッぽくきこえた。何となく正気でいったように思ったが、看護婦に聞くと
注射をしたんだそうで、あとは昏睡ですと。 それも二時間とは続かない、すぐにまた....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
曰く、米国の宗教は満嚢自由の空気をもって吸入せるものなり、全身自由の精神をもって
注射せるものなり。そもそも米国人は、そのはじめ英国より渡航せるものにして、当時英....