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泰山
「泰山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
泰山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
》の胴に土蔵の窓明りを仄《ほの》めかせている。そのまた胴は窓の外《そと》に咲いた
泰山木《たいざんぼく》の花を映《うつ》している。……しかしふと指に触れたズボンの....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
がその使いを行き渋《しぶ》ったりするときのことを考えると、実際それは吉田にとって
泰山を動かすような空想になってしまうのだった。しかし何故不安になって来るか――も....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
「赤耀館事件」と言えば、昨年起った
泰山鳴動して鼠一匹といった風の、一見詰らない事件であった。赤耀館に関係ある人々の....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
マイクロフォンに近づけた。 「東京及び東京地方に居住する帝国臣民諸君」将軍の声は
泰山の如くに落付いていた。「本職は東京警備司令官の職権をもって広く諸君に一|言せ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
「へへえ、山賊がねえ。そして、その山賊はとっつかまったんですか」 「ところが、
泰山鳴動して鼠一匹でね。つかまったのは雑魚ばかり。大物はみんな逃げてしまったとい....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
りだろうと察したからである。帆村は、承知した旨を応えた。 「鼠一匹――が、いやに
泰山を鳴動させるじゃありませんか。検事さんも帆村君も、それについて一体何を感づい....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
んため、一|粒の飯をだに口にせで、かえりて湿虫の餌となれる、意中の人の窮苦には、
泰山といえども動かで止むべき、お通は転倒したるなり。 「そんなに解っているのなら....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
書を受取ったが、その時は早や滝太郎が俵町を去って二月ばかり過ぎた後であったので、
泰山のごとく動かず、風采、千破矢家の傳たるに足る竜川守膳が、顔の色を変えて血眼に....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
、急に又足を止めて、杜子春の方を振り返ると、 「おお、幸、今思い出したが、おれは
泰山の南の麓に一軒の家を持っている。その家を畑ごとお前にやるから、早速行って住ま....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
落第してしまった。 4 彼はすっかり落胆した。 奉天の父の許へ帰って行った。
泰山を望んで不平を洩らした。 二年の間ブラブラした。 それから斉や趙に遊んだ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
一ばかり此方の店前を掠めた蔭に、古布子で平胡坐、継はぎの膝かけを深うして、あわれ
泰山崩るるといえども一髪動かざるべき身の構え。砥石を前に控えたは可いが、怠惰が通....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の川上冬崖は有繋に名称を知っていて、片仮名で「ダイオラマ」と看板を書いてくれた。
泰山前に頽るるともビクともしない大西郷どんさえも評判に釣込まれてワザワザ見物に来....
「「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
を総称して余輩は、「日本民族」の語を用いたい。 我が天孫民族は、土壌を譲らざる
泰山が、よくその高きをなし、細流をも択ばざる河海が、よくその広きをなしたと同じく....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
るの弊あるも、また規模の遠大なるの長所あり。これ、あたかも黄河の悠然として流れ、
泰山の居然として動かざるがごとし。わが国の山河はしからず。山は小にして危立し、川....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
べからく利用せられた態を装って、逆にこれを利用するほどの横着げがあってほしい。「
泰山は土壌を譲らず、ゆえに高し、江河は細流を択ばず、故に深し」で、差別の撤廃と融....