泳ぐ[語句情報] »
泳ぐ
「泳ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
泳ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
ると、すぐに向うへ逃げて行ってしまった。
僕は下駄だけは脱いだものの、とうてい
泳ぐ気にはなれなかった。しかしMはいつのまにか湯帷子《ゆかた》や眼鏡《めがね》を....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
りません。腰から上をのめるように前に出して、両手をまたその前に突出《つきだ》して
泳ぐような恰好をしながら歩こうとしたのですが、何しろひきがひどいので、足を上げる....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
《きばやし》が蛭になるのが最初で、しまいには皆《みんな》血と泥の中に筋の黒い虫が
泳ぐ、それが代《だい》がわりの世界であろうと、ぼんやり。
なるほどこの森も入口....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
を掛けて、横に両脚《りょうあし》でドブンと浸《つか》る。そして湯の中でぶくぶくと
泳ぐと聞いた。 そう言えば湯屋《ゆや》はまだある。けれども、以前見覚えた、両眼....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
た 溢るる水ありて空気に光もなく 陸には立ち止まるべきわずかの場所もなく 水には
泳ぐべき少しの流動さえなかりき。 いかなる物質にも常住の形はなく、 何物も互いに....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
様、おおせでっしゅ。――自動車に轢かれたほど、身体に怪我はあるでしゅが、梅雨空を
泳ぐなら、鳶烏に負けんでしゅ。お鳥居より式台へ掛らずに、樹の上から飛込んでは、お....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ただ金銀銅鉄、真白に溶けた霄の、どこに亀裂が入ったか、破鐘のようなる声して、 「
泳ぐもの、帰れ。」と叫んだ。 この呪詛のために、浮べる輩はぶくりと沈んで、四辺....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
で、真中所、河童の皿にぴちゃぴちゃと水を溜めて、其処を、干潟に取り残された小魚の
泳ぐのが不断であるから、村の小児が袖を結って水悪戯に掻き廻す。……やどかりも、う....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
上を、鮒、鯰、黒い頭、緋鯉と見たのは赤い切の結綿仮髪で、幕の藤の花の末を煽って、
泳ぐように視められた。が、近附いて見ると、坂東、沢村、市川、中村、尾上、片岡、役....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
と煙管を突込んで、ばったり置くと、赤毛氈に、ぶくぶくして、擬印伝の煙草入は古池を
泳ぐ体なり。 「女は蝋燭だと云ってるんだ。」 お媼さんが突掛け草履で、片手を懐....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
その上は小蛇の力で動かんでな。底を背負って、一廻りまわって、船首へ、鎌首を擡げて
泳ぐ、竜頭の船と言うだとよ。俺は殿様だ。…… 大巌の岸へ着くと、その鎌首で、親....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
濛々と、雪烟する中を、スイと一人、スイと、もう一人。やや高いのと低いのと、海月が
泳ぐような二人づれが、足はただようのに、向ううつむけに沈んで行く。…… 脊の高....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
、あたかもこの海の沖を通って、有磯海から親不知の浜を、五智の如来へ詣ずるという、
泳ぐのに半身を波の上に顕して、列を造って行くとか聞く、海豚の群が、毒気を吐掛けた....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
も、菊、桜。白鶴、富久娘の膏を湛えた、友染の袖の池に、錦の帯の八橋を、転げた上で
泳ぐがごとき、大それた溺れよう。肝魂も泥亀が、真鯉緋鯉と雑魚寝とを知って、京女の....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
個向合った白いものが見えました。や、女だ! これは。……いくら田舎娘だって、まだ
泳ぐには。――思わず、私が立停まると、向合ったのが両方から寄って、橋の真中へ並ん....