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洋室
「洋室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洋室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
ここはホテルのサロンであろう。セセッション式の家具を並べた、妙にだだっ広い西
洋室である。が、人影《ひとかげ》はどこにも見えない。ずっと奥に見えるリフトも昇《....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
えながら、隣室の話声をきくともなしに聴いていた。 二 「いい部屋じゃないの、この
洋室。このままバーに使えるわね」 「使ってたのよ。ただのお料理屋や旅館じゃ面白く....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
ながら紀久子の肩に手をかけて、静かにそこを出ていった。 4 奥の
洋室まで、正勝は紀久子について入っていった。 「あらっ!」 紀久子は驚きの声を....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ろにある筈だったから。 ホテルでは万事心得て迎えてくれた。そして二階の奥まった
洋室へ案内してくれた。そこには窓に二重のカーテンが掛って居り、下には幅の広いダブ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
、ふだんは男ばかりいる上の家へみんなが集まった。僕も行けばきっとこの上の家の、西
洋室の応接間にはいってソファの上に横になっていた。 僕はこの家で初めて電話とい....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
々薄暗い畳敷きの日本室があり、あっさりと野菊の花を活けた小さな床があった。 西
洋室の二方にはライブラリ型の棚があり、其処には和洋雑多な書籍が詰っていた。だが、....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
屋で焼香をすませると、ソッと立って、廊下の所で小間使の千鶴を呼留めて、廊下の傍の
洋室へ彼女を招き入れた。 「鳥渡聞きたい事があるのだけれども」 野村は何気なく....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
も多少気がとがめる事になる、即ち上演を差止められても文句がいえない気がするのだ。
洋室というものは大体において、ベッドなどはさっぱりしていて、むさくるしいという感....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
日本の現代は必ずしも左様にセットを用いなくとも今や何パーセントの日本人はベッドと
洋室とパジャマで寝ている。かえって私は純日本的な日本髷の裸女と背景が一〇〇号の力....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ったと私は今になって考える。ところが現代では安い文化住宅のみならず、豪奢な別荘の
洋室においてさえも、絵画らしいものは一切見当らない事がある。時に洋行土産と称する....
「精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
には鍵がかかっていない。窓に鉄の格子がはまって、脱出は不可能であるが、窓は普通の
洋室の位置にあり、兇暴な患者は他の室へ乱入することもできるし、窓ガラスを割ること....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
く、警察を」 そこで、警察の活動となったのである。 アトリエは二間半に三間の
洋室が一間だけ。ほかに手洗い場と便所が附いているだけだ。ベッドと、洋服ダンスと、....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
しゃいます。」と云う返事だった。 廊下が、一段トンと低くなって、そのとっつきの
洋室が、新子のための部屋だという。 庭に面して、二方に窓があり、淡いみどりの壁....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
数にして五十畳、広い部屋が作られてあった。しかも日本流の部屋ではない。阿蘭陀風の
洋室であった。書棚に積まれた万巻の書、巨大な卓のその上には、精巧な地球儀が置いて....
「能面の秘密」より 著者:坂口安吾
ら鍵をかけて隣室へでてこのドアを外側から鍵をかけて逃げ去ったことを意味している。
洋室のドアは女中たちが平素かけない習慣になっているので他の何者かがかけたことは明....