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洋灯
「洋灯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洋灯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
、俺はまた淋しい心持ちに襲われた。見ると、吉野君に散々叩かれた雑誌「×××」は、
洋灯《ランプ》の暗い光のうちに放り出されてある。俺は、創作は黄金だといった山野の....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
。漲《みな》ぎる煙と、燃える畳《たたみ》とを想像していた。ところが開けて見ると、
洋灯《ランプ》は例のごとく点《とも》っている。妻と子供は常の通り寝ている。炬燵《....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
れた。 同時に豊かな灯《ひ》が宗近家の座敷に点《とも》る。静かなる夜を陽に返す
洋灯《ランプ》の笠に白き光りをゆかしく罩《こ》めて、唐草《からくさ》を一面に高く....
「草枕」より 著者:夏目漱石
上に何物かあらわれた。広い風呂場を照《てら》すものは、ただ一つの小さき釣《つ》り
洋灯《ランプ》のみであるから、この隔りでは澄切った空気を控《ひか》えてさえ、確《....
「恭三の父」より 著者:加能作次郎
も矢張そうであった。 家のものは今|蚊帳の中に入った所らしかった。納戸の入口に
洋灯が細くしてあった。 「もう寝たんですか。」 「寝たのでない、横に立って居るの....
「千鳥」より 著者:鈴木三重吉
は、向き合いになってももう面輪が定かに見えない。 女の人は、立って押入から竹|
洋灯を取りだして、油を振ってみて、袂から紙を出して心を摘む。下へ置いた笠に何か書....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
その溢れ出る水は急に凍って、厭世的な氷になってしまった。柊の小枝や果実が窓の中の
洋灯の熱にパチパチ弾けている店々の明るさは、通りがかりの人々の蒼い顔を真赧にした....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
エズから古倫母に至る十日十六時四十分の紅海横断。この間、三三九六|浬。 甲板|
洋灯の無礼な光線が、私を熟睡から引き※った。水夫たちが朝早くデッキを洗っている。....
「這って来る紐」より 著者:田中貢太郎
帯といっしょに衝立へ掛けて寝たが、暫く眠って何かの拍子に眼を醒してみると、有明の
洋灯が微暗く点っていて室の中はしんとしていた。その時何か物の気配がしたのでふと見....
「湯元の秋」より 著者:豊島与志雄
うとしていた。 それでも、その晩私は、長々と身体を湯壺の中に伸し、それからまた
洋灯の光りをまじまじと見守った。そして鳴きしきる虫の音をきいた。その時私の心は、....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
たしを馬鹿にするんだね。人の仕事の手伝いもしないで、邪魔するだけだ。――その上、
洋灯をひっくりかえしったら晩には何を点けるんです?……」 「おお、よしよし、泣く....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
こへ、書架の横にある扉が開いて、朝枝の蝋色をした顔が現われた。 彼女が手にした
洋灯を、卓子の上に置くのにも、その痩せた節高い指が、痛々しく努力するのを見て、法....
「前妻の怪異」より 著者:田中貢太郎
それは某夜のことであったが、その当時はまだ電灯の往きわたっていない時で、二人は吊
洋灯の傍で児の対手になっていた。 児は無邪気であった。児はふざけるだけふざけた....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
り、暗い廊下が尽きたところの左側が風呂場になっていた。 風呂場には、小さい石油
洋灯の淡い光が、浴槽の面をぼんやり照らしていた。法師温泉へはいまでも送電線がきて....
「酒渇記」より 著者:佐藤垢石
の墓のある大胡町へ泊まった。宿屋は、伊勢屋というのであったと記憶している。 台
洋灯の下へ、女中が晩の膳を運んできた。その時、何ということなしに、ふと、 ――....