洋琴[語句情報] » 洋琴

「洋琴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

洋琴の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
器楽的幻覚」より 著者:梶井基次郎
ある秋|仏蘭西《フランス》から来た年若い洋琴家《ピアニスト》がその国の伝統的な技巧で豊富な数の楽曲を冬にかけて演奏して行....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
、舞い戻らんとする夜はからりと明け離れたようなものである。こんな事なら琴の代りに洋琴《ピアノ》でも習って置けば善かった。英語も昔のままで、今はおおかた忘れている....
夢十夜」より 著者:夏目漱石
這入《はい》ったら派手《はで》な衣裳《いしょう》を着た若い女が向うむきになって、洋琴《ピアノ》を弾《ひ》いていた。その傍《そば》に背の高い立派な男が立って、唱歌....
新生」より 著者:島崎藤村
舞台の上で見た近代劇の年老いた主人公をふと胸に浮べた。その主人公の許《ところ》へ洋琴《ピアノ》を弾《ひ》いて聞かせるだけの役目で雇われて通って来る若い娘を胸に浮....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
ハーモニカやシロフォネンなどは子供のオモチャで、マンドリン、ギタ、ヴァイオリン、洋琴やピアノなぞが本当の文化的価値があるものだそうだ。しかも昔なら、 「鐘一つ売....
カーライル博物館」より 著者:夏目漱石
遠慮に起る音響を無心に聞き流して著作に耽《ふけ》るの余裕を与えなかったと見える。洋琴《ピアノ》の声、犬の声、鶏の声、鸚鵡《おうむ》の声、いっさいの声はことごとく....
婦系図」より 著者:泉鏡花
一所になった処へ、また小児同志の客があり、草深の一家も来、ヴァイオリンが聞える、洋琴が鳴る、唱歌を唄う――この人数へ、もう一組。菅子の妹の辰子というのが、福井県....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が櫨木にかかった点を連ねたものが、ほぼ原型の線に等しいと云う訳さ。つまり、水滴を洋琴の鍵にして、毛が輪旋曲を踊ったのだよ」 「なるほど」と検事は頷いたが、「だが....
」より 著者:島崎藤村
根は極く小さい震えるような声で歌って聞かせた。音楽者の癖で、曾根が手の指は無心に洋琴の鍵盤に触れるように動いた。これはそう旧いことでも無かった。急に、三吉はこの....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
人を馬鹿にしたものであった。火箸や十能に突き当たったり、椅子を引っくり返したり、洋琴に打っ突かったり、窓帷幄に包まって自分ながら呼吸が出来なくなったりして、彼女....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
有名の楽師を招きて、「自由の歌」と題せる慷慨《こうがい》悲壮の新体詩をば、二面の洋琴《ようきん》に和して歌わしむ。これを聴ける時、妾は思わず手を扼《やく》して、....
だいこん」より 著者:久生十蘭
椅子に掛けて八十五鍵を低音部から素早くひと撫ですると、いきなりバッハの〈平均律洋琴曲ハ長調フーガ〉をひきだした。 なんといううまさなんだ。この曲はジルさん(....
誓之巻」より 著者:泉鏡花
の歌)をね、人の厭がるものをつかまえてお唄いなさるの。唄っちゃ(ああ、こんなじゃ洋琴も役に立たない、)ッて寂しい笑顔をなさるとすぐ、呼吸が苦しくなッて、顔へ血が....