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洋風
「洋風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洋風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
一
部屋《へや》の隅に据えた姿見《すがたみ》には、西
洋風に壁を塗った、しかも日本風の畳がある、――上海《シャンハイ》特有の旅館の二階....
「春」より 著者:芥川竜之介
がかかり出した。油画は六号か八号のカンヴァスに人体ならば顔ばかりを、風景ならば西
洋風の建物を描《えが》いたのが多いようだった。広子は結婚前の何箇月か、――殊に深....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
んでいる両国百本杭《りょうごくひゃっぽんぐい》の近くの邸宅に、気の利《き》いた西
洋風の書斎を新築して、かなり贅沢《ぜいたく》な暮しをしていました。
「私はこう云....
「路上」より 著者:芥川竜之介
持ちこんで、見た眼には多少狭苦しいが、とにかく居心《いごころ》は悪くない程度の西
洋風な書斎を拵《こしら》え上げた。が、書斎を飾るべき色彩と云っては、ただ書棚を埋....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
大正七年十月のある夜、中村《なかむら》少将、――当時の軍参謀中村少佐は、西
洋風の応接室に、火のついたハヴァナを啣《くわ》えながら、ぼんやり安楽椅子によりか....
「或る女」より 著者:有島武郎
えん》が遠くにぼんやり望まれるようになったので、葉子は自分の部屋に帰った。そして
洋風の白い寝衣《ねまき》に着かえて、髪を長い編み下げにして寝床にはいった。戯談《....
「或る女」より 著者:有島武郎
とした楽しさだった。何事にでも器用な葉子は不足がちな台所道具を巧みに利用して、西
洋風な料理と菓子とを三品《みしな》ほど作った。定子はすっかり喜んでしまって、小さ....
「星座」より 著者:有島武郎
んな境遇をも凌《しの》ぎ凌いで進んでいこうとするような気禀《きひん》、いくらか東
洋風な志士らしい面影《おもかげ》、おぬいさんをはるかの下に見おろして、しかも偽《....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
師町をつきぬけて、この市街では目ぬきな町筋に出ると、冬じゅうあき屋になっていた西
洋風の二階建ての雨戸が繰りあけられて、札幌のある大きなデパートメント・ストアの臨....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
そこにはもう赤錆のふいた亜鉛葺の納屋が一棟あった。納屋の中にはストオヴが一つ、西
洋風の机が一つ、それから頭や腕のない石膏の女人像が一つあった。殊にその女人像は一....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
顔利と申すこと、丸顔で、小造に、肥っておいで遊ばす、血の気の多い方、髪をいつも西
洋風にお結びなすって、貴方、その時なんぞは銀行からお帰り※々と見えまして、白襟で....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
そこが前栽になっている。一体昔の大名の別邸を取払った幾分の造作が残ったのに、件の
洋風の室数を建て増したもので、桃色の窓懸を半ば絞った玄関|傍の応接所から、金々と....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
、たけのこ、ふき、さやえんどう、しいたけ、玉子焼、紅しようが、木の芽などである。
洋風のものではフランス料理を二つ三つ聞きかじつて知つている。ただし、おでんと天ぷ....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
都会である。例へばつい半年ほど前には、石の擬宝珠のあつた京橋も、このごろでは、西
洋風の橋に変つてゐる。そのために、東京の印象といふやうなものが、多少は話せないわ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
西洋人でも今少しは歯に衣をかけた言い方をするであろう。日本人は一時心も形も全部西
洋風となったのであった。近時所謂日本主義が横行して形は日本に還ったが、しかし彼ら....