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洒脱
「洒脱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洒脱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
突《とうとつ》だったので、技師はちょいと驚いたが、相手の少佐が軍人に似合わない、
洒脱《しゃだつ》な人間だと云う事は日頃からよく心得ている。そこで咄嗟《とっさ》に....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
《い》はれて浮いた同士《どし》」が「つひ岡惚《おかぼれ》の浮気から」いつしか恬淡
洒脱《てんたんしゃだつ》の心を失って行った場合には「またいとしさが弥増《いやま》....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
も若く色の白い快活そうな青年だ。二人共同じような純白の三つ揃いを着て、どことなく
洒脱な風貌の持主だった。 形ばかりの簡単な挨拶を済ますと、私は早速夫人へ、前の....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
婦人は、突然解し難い露出的態度に出た。法水もちょっと面喰ったらしかったが、すぐに
洒脱な調子に戻って、
「すると、その計算には、幾つ無限記号を附けたらよいのでしょ....
「紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
明治文壇には、紀行文家と称せられる一群の顔ぶれがあった。根岸派では、饗庭篁村が先達で、八文字舎風の軽妙
洒脱な紀行文を書き『東京朝日』の続きものとして明日を楽しませた。幸田露伴にも『枕....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
は乗らなかった。すると遂々彼は夫人に未練を残していることを白状して、 ――あんな
洒脱な女はありませんよ。あれと暮して居ると、本当に巴里と暮しているようですよ。六....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
る。声はあくまでやわらかく、酔にまぎれて多少の高声を発するようなことすらもない。
洒脱な応待で女中をからかい、龍海さんと按吉にさかんに飲ませて、自分は人につがれな....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
留守を使われるような、そのようなこともござるまいが、ちと受取れぬ仕儀でござるな」
洒脱であり豪放ではあるが、他人に対してはいつも丁寧な、要介としてはこの言葉は、か....
「酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
里ばかり西の小県郡中条の木賃宿が、その夜の宿であった。そこでは宿の主人のまことに
洒脱な夫婦喧嘩を聞いた。その次の日は、千曲川の流れに沿う戸倉の村をぼつぼつと西へ....
「絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
上から丹念に描いた一点一劃間違いのないような精細確実な処にあるのではなくて、軽妙
洒脱な筆の味ばかりでもなく、時には筆者さえも予想しなかったような、勢いに乗じて出....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
強ち青瓢箪的のヒョロヒョロ男と限らないでも二葉亭は小説家型ではなかった。文人風の
洒脱な風流|気も通人気取の嫌味な肌合もなかった。が、同時に政治家型の辺幅や衒気や....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
達者に踊り抜く俳優はたしかにある。しかも彼のごとく悠揚迫らずして、おのずから軽妙
洒脱の趣を具えている俳優は、殆んど見当たらないように思われる。たってその後継者を....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
けたので、寒月の画を鑑賞するものは更に椿岳に遡るべきである。 椿岳の画の豪放|
洒脱にして伝統の画法を無視した偶像破壊は明治の初期の沈滞|萎靡した画界の珍とする....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ったが、本来官僚の寵児で、礼儀三千威儀三百の官人|気質の権化であったから、豪放|
洒脱な官界の逸人高橋自恃庵が作った放縦自由な空気は忽ち一掃されて吏臭紛々たる官場....
「彼等流浪す」より 著者:小川未明
、描き出されるのをいかんともすることができなかった。ゴッホに、到底セザンヌの軽快
洒脱を望むことはできないが、その表現主義的であり、哲学的である点に於て、ゴッホと....