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洒落
「洒落〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洒落の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
革命前ではないかと言えば、僕は当時|小耳《こみみ》に挟《はさ》んだダンチェンコの
洒落《しゃれ》を覚えているからである。
ある蒸し暑い雨《あま》もよいの夜《よ》....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
》の制服を着たもう一人の画学生にこう言ったりした。
「何だかな、まさか厳格と云う
洒落《しゃれ》でもあるまい。」
彼等は二人とも笑いながら、気軽にこの家の前を通....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
きつね》の塚を踏んで、物に狂うたのも同然じゃな。」と、まるで御自分を嘲るように、
洒落《しゃらく》としてこう仰有《おっしゃ》います。が、全く当時の若殿様は、それほ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
一食五十銭の食料の払いはそれだけでも確かに間《ま》に合って行った。のみならず彼の
洒落《しゃ》れるよりもむしろ己惚《うぬぼ》れるのを愛していたことは、――少くとも....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
煙草の灰を無造作《むぞうさ》に卓子《テエブル》の上へ落したり、あるいはまた自分の
洒落《しゃれ》を声高《こわだか》に笑ったり、何かしら不快な事をしでかして、再び私....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
けれども浮かない顔をしたまま、葉巻を銜えているのも気の毒だった。
「ふん、土匪も
洒落《しゃ》れたもんだね。」
「何、黄などは知れたものさ。何しろ前清の末年《ばつ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
った。が、大井は黒木綿の紋附の袂《たもと》から、『城』同人の印《マアク》のある、
洒落《しゃ》れた切符を二枚出すと、それをまるで花札《はなふだ》のように持って見せ....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
い木瓜の樹を見つめていたことであろう。
「これはお前と同じ名前の樹。」
伯母の
洒落《しゃれ》は生憎《あいにく》通じなかった。
「じゃ莫迦《ばか》の樹と云う樹な....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
手を触《ふ》れぬが好《よ》い」と云った。
もう一人のスタアレット氏はずっと若い
洒落者《しゃれもの》だった。冬は暗緑色のオオヴァ・コートに赤い襟巻《えりまき》な....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
墓に埋められる前までのラザルスは快活で、磊落で、いつも大きい声を出して笑ったり、
洒落を言ったりするのが好きであった。したがって彼は、神様からもその悪意や暗いとこ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
かりであった。自動書記は一八八〇年まで連続的に現れたが、その中に気軽な冗談とか、
洒落とか、野鄙な文句とか、頓珍漢な理窟とか、嘘や出鱈目とかは、私の知れる限りに於....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
小説を書いた。その前、饗庭篁村氏がさかんに八文字屋で書かれ、また幸堂得知氏などが
洒落文を書かれたものである。純粋に西鶴風なものは誰も書かなかったが、誰からともな....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
商売の女性たちの参詣が盛んであるようですが、これは御鎮護様をオチンボサマに懸けた
洒落参りなのかも知れません。 (大正十四年十一月『聖潮』第二巻第十号より追補)....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
」 「うん、風呂敷包みを抱えている女さ。あいつはこの夏は軽井沢にいたよ。ちょっと
洒落れた洋装などをしてね」 しかし彼女は誰の目にも見すぼらしいなりをしているの....
「豊島与志雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
気もしない事はない。 豊島は作品から受ける感じとよく似た男である。誰かゞそれを
洒落れて、「豊島は何時でも秋の中にいる」と形容した、そう云う性格の一面は世間でも....