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洗い場
「洗い場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洗い場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
逃げ出そうとする。宇三郎は追いまわす。御承知の通り、仕出し屋のことですから店には
洗い場があって、そこには大きい内井戸がある。普通の井戸とは違いますから、井戸側が....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
っていて、入口に近い仕切の中で衣類を脱ぎ、その奥に入ると、白いタイルで張りつめた
洗い場になっていて、栓をひねると天井からシャーッと温湯が滝のように降ってくるので....
「蠅男」より 著者:海野十三
めぐらされた直径十メートルの円形のプールが作ってあった。そのまわりも広い大理石の
洗い場になっていて、そこに二、三人の人たちが広々と両手両足をなげだして、湯にのぼ....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
れたのは、今朝の三時頃の事です。隣家の二号室の附添看護婦が、あの廊下の突当りの手
洗い場に行きかけると、あの室の扉が開いて、眩しい電燈の光りが廊下にさしている。そ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
りで番をしていた。 「ああ、咽喉がかわいた。何よりも西瓜をはやく出せ」 義兄は
洗い場で身体を洗いながら大声で叫んだ。ホホホと、お勝手の方で姉の露子と子守の清の....
「白い壁」より 著者:本庄陸男
何でえ……」ぴくりと富次は驚くのであるが、その時彼はえり頸を掴まえられてすでに足
洗い場に運ばれていた。「それ、それ――」と使丁はがなりつける。「まだ踵《かがと》....
「死の前後」より 著者:豊島与志雄
った。電気をつけると、そこの……旧式の台所で、板敷のところから一段ひくくなってる
洗い場の前の置板の上に、おしげが、白い浴衣地の寝間着のまま横倒しに蹲っていた。「....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
のを許されていなかった。ただルイゾンという珈琲皿を洗う女だけは許されていて、時々
洗い場から「実験室」(料理場)へ行くためにそこを通っていた。
すっかりいい気持....
「温浴」より 著者:坂口安吾
度の温泉の湯につかる。伊東市でこれ以上チッポケな湯殿はなかろうと思われるぐらい、
洗い場もないほどのところだが、私にはこれ以上の広さも必要ではない。ただ釜たきをす....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
警察の活動となったのである。 アトリエは二間半に三間の洋室が一間だけ。ほかに手
洗い場と便所が附いているだけだ。ベッドと、洋服ダンスと、机と、テーブルに椅子が三....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
疑を払拭する反証をも捉え得なかった。 鶴見は気張って、痩っぽちの裸体を風呂屋の
洗い場で彼に見せてやった。 銭湯からの帰りしなに、泡鳴は満足げにぶらぶらと歩い....
「競漕」より 著者:久米正雄
援の声の多寡を聞き知ろうと思った。どうしても農科の応援の方が多いように思われた。
洗い場の辺に久野の友人の松田と成沢が立っていた。二人は「久野、しっかりやれ」と言....
「夏の町」より 著者:永井荷風
は、皺だらけになった寝衣《ねまき》に細いシゴキを締めたままで、こそこそと共同の顔
洗い場へ行かねばならない。 洗場《あらいば》の流《ながし》は乾く間のない水のた....
「漁師」より 著者:マクラウドフィオナ
いた楊《やなぎ》の谷の方を見おろしているところだった。 それからわたしが小川の
洗い場にいると、女の人が丘を下りて来た。うつくしい人だったが、涙ぐんでいた。 ....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
な西洋風呂なのですが、ここの家の風呂だけはゆったりと大きくて、窓の色|硝子や広い
洗い場や、おまけにタイルの浴槽からざぶざぶと湯がこぼれて、まるで温泉場みたいだな....