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「洗い髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

洗い髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
がらあなた様とそっくりなのがいますから、それのを取り寄せてみましょう。あなた様は洗い髪でいらっしゃるなり……いかが、わたしがすっかり仕立てて差し上げますわ」 ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
た中|年増《どしま》でありました。しかし、異様なのはその髪の形で、ざんばらとした洗い髪なのです。それから白衣――。 だから右門はすかさずにいいました。 「幽霊....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いって、静かに障子をあけながらじろりとのぞくと、まさにそれは奇怪な絵模様でした。洗い髪、二十一、二のいかさま鉄火ものらしい若い女がなやましくもすべすべとした全裸....
婦系図」より 著者:泉鏡花
窶がして、黒髪の多いのも、世帯を知ったようで奥床しい。眉のやや濃い、生際の可い、洗い髪を引詰めた総髪の銀杏返しに、すっきりと櫛の歯が通って、柳に雨の艶の涼しさ。....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の男が来て貼りかえてくれた。向う座敷は障子をあけ放して、その縁側に若い女客が長い洗い髪を日に乾かしているのが、榎の大樹を隔ててみえた。 午後は読書に倦んで肱枕....
嬌娜」より 著者:田中貢太郎
ひどく礼を言った後で、きれいな着物一|襲に貂の帽と履物を添えてくれ、孔生が手足を洗い髪に櫛を入れて着更えをするのを待って、酒を出して饌をすすめた。そこの牀や帷な....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
関係の続いていることなど、古い通俗小説めいた過去も解るようになった。それに瀟洒な洗い髪の束髪などで、セッタ種の犬を片手に抱きながら、浴衣がけで通りを歩いているの....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
朝は六時に起きまして、六時半に食堂に参りますが、初めは慣れぬし、三十分間に顔を洗い髪を結い制服を着、また床をなおす事が出来ませんでしたが、今では出来得るように....
春昼」より 著者:泉鏡花
に緋の袴で燈台の下に何やら書を繙く、それ露が滴るように婀娜なと言うて、水道の水で洗い髪ではござらぬ。人跡絶えた山中の温泉に、唯一人雪の膚を泳がせて、丈に余る黒髪....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
二十五六の若い美しい女が、六十|位の老女を連れて立って居りましたが、血走った眼に洗い髪をふり乱して居る様子は、何う見ても只事とは思われないのでした。 女はやが....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
買いあつめた。 そういう英雄豪傑の写真に交って、ぽん太の写真が三、四種類あり、洗い髪で指を頬のところに当てたのもあれば、桃割に結ったのもあり、口紅の濃く影って....
深川女房」より 著者:小栗風葉
敷いて、欅の岩畳な角火鉢を間に、金之助と相向って坐っているのはお光である。今日は洗い髪の櫛巻で、節米の鼠縞の着物に、唐繻子と更紗縮緬の昼夜帯、羽織が藍納戸の薩摩....
おせん」より 著者:邦枝完二
の模様のある緋呉羅の帯を締めて、首から胸へ、紅絹の守袋の紐をのぞかせたおせんは、洗い髪に結いあげた島田髷も清々しく、正しく座った膝の上に、両の手を置いたまま、駕....
秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
宿の男が来て貼りかえてくれた。向座敷は障子をあけ放して、その縁側に若い女客が長い洗い髪を日に乾かしているのが、榎の大樹を隔ててみえた。 午後は読書に倦んで肱枕....
五重塔」より 著者:幸田露伴
き雨後の山の色をとどめて翠の匂いひとしお床しく、鼻筋つんと通り眼尻キリリと上り、洗い髪をぐるぐると酷く丸めて引裂紙をあしらいに一本簪でぐいと留めを刺した色気なし....