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洗滌
「洗滌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洗滌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「芽生」より 著者:島崎藤村
を起させた。学士は子供の腸を洗ってやりたいと言ったが、不便な郊外のことで、近くに
洗滌器《せんじょうき》を貸すところも無かった。家内は二三の医者の家を走り廻って、....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
のです。あの惨劇のあった後犯人はひそかに、青酸を塗った目盛盤を外し、これを綺麗に
洗滌しようと思って此の室にやって来たのです。しかるに犯人のために不幸な出来事が突....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
えている。こんなことを、貞操蹂躙とか色魔とか云って大騒ぎする奴の気が知れない。『
洗滌すれば、なにごともなかったと同じように清浄になるのだ』とロシアの若い女たちは....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たが、法水は几帳面に自分の説を述べた。
「なるほど、飄逸や戯喩は、一種の生理的|
洗滌には違いないがね。しかし、感情の捌け口のない人間にとると、それがまたとない危....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
素イオン濃度がわずかに一億分一だけ増すとすぐ呼吸が忙しくなって血液中の炭酸ガスを
洗滌させる。 人間の社会もこのくらい有機的になって、全系統の生理に有害なものを....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
彼の家から五六丁はなれて品川堀がある。品川へ行く灌漑専用の堀川で、村の為には
洗滌の用にしかならぬ。一昨々年の夏の出水に、村内で三間ばかり堤防が崩れ、堤から西....
「子猫」より 著者:寺田寅彦
よごしあるく事に何よりも当惑したので、すぐに三毛をかかえて風呂場にはいって石鹸で
洗滌を始めたが、このねばねばした油が密生した毛の中に滲透したのはなかなか容易には....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
ときにこぼす涙などは上記のものとは少し趣を異にするようである。それからまた、胃の
洗滌《せんじょう》をすると言って長いゴム管を咽喉《のど》から無理に押し込まれたと....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
かけつけると返事をした。そして、看護婦をいそがせて、自分は鞄をもち、看護婦には、
洗滌器などの道具をもたせて、あたふたと、医務室を出ていった。 あとには、赤石と....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、今つッ立った廉平の頭上を飛んで、空ざまに攀ずること十丈、親仁の手許の磨ぎ汁を一
洗滌、白き牡丹の散るごとく、巌角に飜って、海面へざっと引く。 「おじご、何を、何....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
思うわ。聡明な、末起ちゃんには予期していたことですけれど、あなたには、あの悩みに
洗滌が要りますの。そうでもしないと、末起ちゃんのからだが、保たなくなります。 ....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
の死を、知らぬと云いつづけられるだろうか」 寝台の側には、三稜の立鏡台があり、
洗滌器や、壁にはいろいろな酒を入れた、護謨製用具がいくつとなく吊してある。窓は、....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
でした。兄さんは僕の変に性の抜けたようなニヒリスチックなところが、鬱屈した性質を
洗滌されるようで好きだったのだな」 「そう云いました。私にもだからおつき合いして....
「ある自殺者の手記」より 著者:小酒井不木
血中に吸収されるのであるから、モルヒネやその他の薬剤とちがって、服用五分後に胃を
洗滌しても、最早その人を救うことが出来ないのだ。まったく僕のような感情を持ったも....
「鮪の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
、粉茶は茶の残りを集めたいわば茶のくずであるから、埃などがまじっていよう。これを
洗滌する意味で、ざるの中に入れた茶に水をさすと、乳白色に水がよごれてこぼれてくる....