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洗面
「洗面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洗面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
だったのを発見した。彼女はこの発見に何か満足に近いものを感じ、お鳥の便をする度に
洗面器の水を運んでやった。
「甲野さん、あなたのおかげさまで人間並みに手が洗えま....
「影」より 著者:芥川竜之介
りを払って、頼もしい現実へ飛び移った。寝台《しんだい》、西洋※《せいようがや》、
洗面台、――今はすべてが昼のような光の中に、嬉しいほどはっきり浮き上っている。そ....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
った。なるほど多加志の病室の外には姫百合《ひめゆり》や撫子《なでしこ》が五六本、
洗面器の水に浸《ひた》されていた。病室の中の電燈の玉に風呂敷か何か懸っていたから....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
《のきさき》の葭簾《よしず》の日除《ひよ》けは薄日の光を透《す》かしていた。僕は
洗面器を持って庭へ下り、裏の井戸《いど》ばたへ顔を洗いに行った。しかし顔を洗った....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
口笛《くちぶえ》を吹き吹き、一人ダンスを試みている。保吉はちょいと苦笑したまま、
洗面台の前へ手を洗いに行った。その時ふと鏡《かがみ》を見ると、驚いたことにタウン....
「或る女」より 著者:有島武郎
く、むしむしするような不愉快を感ずるので、狭苦しい寝台《バース》を取りつけたり、
洗面台を据えたりしてあるその間に、窮屈に積み重ねられた小荷物を見回しながら、帯を....
「或る女」より 著者:有島武郎
れも許さなければならない事だと、自分の事のように心で弁疏《べんそ》した。ようやく
洗面が済んで、それから寝台の周囲を整頓《せいとん》するともう全く朝になっていた。....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
ぎょっとして立上りました。生徒達が大きな声で笑ったり呶鳴《どな》ったりしながら、
洗面所の方に手を洗いに出かけて行くのが窓から見えました。僕は急に頭の中が氷のよう....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
繁くなった。 同時に、さらさらさらさらと水の音が響いて聞こえる。「――また誰か
洗面所の口金を開け放したな。」これがまた二度めで。……今朝三階の座敷を、ここへ取....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
… 「ああ、この音だった。」 汀の蘆に波の寄ると思ったのが、近々と聞える処に、
洗面所のあったのを心着いた。 機械口が緩んだままで、水が点滴っているらしい。 ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
泊ったらしい。ところが、次の間つきで、奥だけ幽にともれていて、あとが暗い。一方が
洗面所で、傍に大きな石の手水鉢がある、跼んで手を洗うように出来ていて、筧で谿河の....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、駅前の旅館へ便った。 「姉さん、風呂には及ばないが、顔が洗いたい。手水……何、
洗面所を教えておくれ。それから、午飯を頼む。ざっとでいい。」 二階座敷で、遅め....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
。細君は、白骨も戻すと極り、夜が明けると、ぱっと朝露に開いた風情に元気になって、
洗面の世話をしながら、縁側で、向うの峰を見て顔を洗う小松原に、 「昨晩はお楽み…....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
乃で、私の方でもそれに調子を合わせて生活するように致し、丁度現世の人達が朝起きて
洗面をすませ、神様を礼拝すると同じように、私も朝になれば斎戒沐浴して、天照大御神....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
じゅうたんの敷物でした。にわとこのくさむらとのばらの垣が、おへやの花たばでした。
洗面所のかわりには、小川が水晶のようなきれいな水をながしてくれましたし、そこには....