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洗面台
「洗面台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洗面台の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
りを払って、頼もしい現実へ飛び移った。寝台《しんだい》、西洋※《せいようがや》、
洗面台、――今はすべてが昼のような光の中に、嬉しいほどはっきり浮き上っている。そ....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
口笛《くちぶえ》を吹き吹き、一人ダンスを試みている。保吉はちょいと苦笑したまま、
洗面台の前へ手を洗いに行った。その時ふと鏡《かがみ》を見ると、驚いたことにタウン....
「或る女」より 著者:有島武郎
く、むしむしするような不愉快を感ずるので、狭苦しい寝台《バース》を取りつけたり、
洗面台を据えたりしてあるその間に、窮屈に積み重ねられた小荷物を見回しながら、帯を....
「新生」より 著者:島崎藤村
という意味を通わせたので。
「極楽へ島流しですか」
と岡も笑出した。
岸本は
洗面台の横手にある窓の下へアルコオル・ランプと湯沸《ゆわかし》を取りに行った。そ....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
ばせをし合って徳市を奥へ案内した。 徳市は酔った眼であたりを見まわした。美事な
洗面台や化粧台、バスなぞが眼に付いた。 憲作と美人はヨロヨロする徳市を捕まえて....
「日常身辺の物理的諸問題」より 著者:寺田寅彦
これは鉢の縁とコップとの摩擦によって起こる鉢の振動のためらしい事がわかった。宅の
洗面台はきわめて粗末な普通のいわゆる流しになっていて、木製の箱の上に亜鉛板を張っ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
、鏡付きの大きな箪笥一つと、机一つと、椅子二つと、陶器の水入れや金だらいを載せた
洗面台とで、ほとんど一ぱいになっている。そしてその一方の隅っこに、自炊のできるよ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
と一枚分は板敷になっている。その右の方の半分のところには、隅っこに水道栓と鉄製の
洗面台とがあって、その下に箒と塵取と雑巾とが掛かっていて、雑巾桶らしいものが置い....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
なかった。物置も普段の通りであった。古い煖炉の蓋と、古靴と、二個の魚籠と、三脚の
洗面台と、火掻き棒があるばかりであった。 すっかり安心して、彼は戸を閉めて、錠....
「小公女」より 著者:菊池寛
や、サンドウィッチや、丸麭麺などが入れてありました。ベッキイのお茶碗はないので、
洗面台のうがい茶碗を使うことにしました。そのお茶のおいしさといったらありませんで....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
した風で手を洗っている。それが慌てて逃げ出す。ダンサーの室は叩いても音がしない。
洗面台に犯人の遺した腕時計が光っていて、それが折から金につまった小娘を誘惑する。....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
を測っている間、船長の時計で時間を取るようにと私に命令したのであった。 部屋は
洗面台と数冊の書籍とをそなえた飾り気のない小さい室である。壁にかけられた若干の絵....
「城」より 著者:カフカフランツ
ている教師と、二人きりになった。もう少しお待ち下さい、といって、シャツを脱いで、
洗面台で顔を洗い始めた。そこでやっと、教師に背を向けたまま、なんのご用でいらっし....
「審判」より 著者:カフカフランツ
からも監視人のほうからも、もう一言も発せられなかった。 彼はベッドに身を投げ、
洗面台から見事な林檎を取った。昨晩、朝食のためにとっておいたものである。今のとこ....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
きた。 「ああっ!」 おかみさんが帽子をさけようと、右にむいたとたん、こんどは
洗面台のスポンジがとんできた。つぎはズボン、そのつぎは服、恐怖に顔をひきつらして....