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洗面器
「洗面器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洗面器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
だったのを発見した。彼女はこの発見に何か満足に近いものを感じ、お鳥の便をする度に
洗面器の水を運んでやった。
「甲野さん、あなたのおかげさまで人間並みに手が洗えま....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
った。なるほど多加志の病室の外には姫百合《ひめゆり》や撫子《なでしこ》が五六本、
洗面器の水に浸《ひた》されていた。病室の中の電燈の玉に風呂敷か何か懸っていたから....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
《のきさき》の葭簾《よしず》の日除《ひよ》けは薄日の光を透《す》かしていた。僕は
洗面器を持って庭へ下り、裏の井戸《いど》ばたへ顔を洗いに行った。しかし顔を洗った....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
うちに午前四時頃喀血す。従来に比して多量にして、盛んなるときは紙にもとり能わず。
洗面器にも吐く暇なく、息つまりそうにて胸がごとごといいてそのまま血をのみこみたり....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
て呉れる。私達の部屋より表門に近い氏の部屋へ氏は主人をまず招じて座布団をすすめ、
洗面器へ冷水を汲み、新らしいタオルを添えるなど、この気の利かない私よりもずっと行....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の兵士にとがめられた。宿へ帰って、午前三時頃から疲れて眠って、あくる朝の六時頃、
洗面器を裏手の畑へ持ち出して、寝足らない顔を洗っていると、昨夜来わたしを苦しめて....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
たそれだけのことをいい終ると、古堀医師は、部屋の一隅のカーテンの蔭にある大理石の
洗面器の方へ歩きだした。 「ちょっと古堀さん」 と検事はあわてて裁判医を呼び停....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ゃった。ここは天国みたいね」 スミ枝は、ベッドから飛び下りた。そして部屋の隅の
洗面器の前に立って、鏡に顔をうつして、あかんべえをやった。 「そうそう、房枝さん....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
気抜きの網格子が、ほんのちょっと曲っていたことである。それに気がついて、大理石の
洗面器の傍にかかっているタオルを見ると、これが真黒になってよごれていた。 (たし....
「火星兵団」より 著者:海野十三
かけて暗くし、それから、どういうわけかその火星人の足を、水をいっぱい張った大きな
洗面器のようなものの中に、つけさせたのであった。
それを見ていた新田先生は、ま....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
れた。そして丁寧にいくども手を洗った。それから血に汚れた手術衣を外した。 次に
洗面器に、新しい湯を貰ってきて、その中に手をつけると、石鹸を十分につけてゴシゴシ....
「健康と仕事」より 著者:上村松園
やる暇もなく私は上京するとホテルに一夜をあかした。 朝、眠りから醒めて床を出て
洗面器のねじを開こうとしたがその日はどういう加減かねじがひどく硬かった。 はて....
「はなしの話」より 著者:岡本綺堂
の兵士にとがめられた。宿へ帰って、午前三時頃から疲れて眠って、あくる朝の六時頃、
洗面器を裏手の畑へ持ち出して、寝足らない顔を洗っていると、昨夜来わたしを苦しめて....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
感じたが、一週間を経過したる後は、その感じがなくなった。 まず一室内八人室に、
洗面器、コップ、尿器、各一個よりほか備えてない。朝起きるときには大混雑である。夜....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
て行った。 父の寛三は医師を送ってから急いで台所へ行って手や着物の汚れを洗い、
洗面器を持って二階へ上って来た。そして雨戸を繰って風を入れながら畳の上の血を拭き....