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洗顔
「洗顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洗顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「めくら草紙」より 著者:太宰治
箇の銅貨をさえ与えたことがなかった。おれは死ぬるともおまえを拝まぬ。歯をみがき、
洗顔し、そのつぎに縁側の籐椅子《とういす》に寝て、家人の洗濯の様をだまって見てい....
「一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
の房でも起き仕度をしている。まだ夜はあけきらず、暗い。巡ぐり戸棚に布団をしまい、
洗顔にとりかかる。 監房の外の一間幅に四間の板廊下の右端にトタン張の流しがあり....
「雑沓」より 著者:宮本百合子
子は、側にタオルをもって立ちながら、 「あひるの行水ね」 と笑った。宏子は、父の
洗顔がすむと、もう髭にも大分白いものの見える父親の顔がブラシの動きと一緒に映って....
「北支点描」より 著者:豊島与志雄
べてある。また或る楽屋には、高価な六神丸が一杯つまってる箱の横に、玉容丸と称する
洗顔用の秘法練薬の箱があり、おしゃれの者には一個六銭で売ってくれる。 前門外は....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
するわけにはいかないのだ。未亡人のお目覚めが最もおそくて、九時ごろ。で、未亡人が
洗顔して朝のお化粧を終ったころ、咲子はその居間の外の廊下に坐って、 「お母さま、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、ロッテナム美人術へムリヤリ連れて行かれた。裸体で寝椅子にねる。いろいろの香料で
洗顔し、全身の皮膚を洗い、最後に油をぬってマッサージして黒布で顔を覆い、全身を覆....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
のだ。年とってからの眼の故障なので、感がわるいのである。
若松屋惣七は、毎朝、
洗顔《すすぎ》がすむとすぐ、彼の帳場である奥の茶室へ引っこんで、一日出て来ないの....
「春」より 著者:岡本かの子
て居るに違いないと思って見ても、可なり痛かろうとはらはらさせられる程きつく弾く。
洗顔を済ませて口紅をさしただけの加奈子が其処へ現われると、京子は鏡をばたりと縁側....
「三国志」より 著者:吉川英治
の入室をゆるした。 艶めかしい美姫と愛くるしい女童が、董卓にかしずいて、玉盤に
洗顔の温水をたたえて捧げていたが、秘書の李儒がはいって来たのを見ると、目礼して、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
おいたまま黙って廊へ出て行った。まもなくまた、ここへ戻ってきた彼は、衣服もかえ、
洗顔や髪の手入れもすましていた。そして、 「介。……袈裟を」 と求め、その袈裟....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
のせいで、来訪者はみな、やあたいへん御健康そうで、といってくれる。 六時起床、
洗顔、朝の茶、食事、新聞、これはみんな不精をきめて机の上ですましてしまう。午後三....