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洞見
「洞見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
洞見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
に見て誰も通らない真中をただ一人歩かなくってはならん。よもやこの人々が余の詩想を
洞見《どうけん》しはしまいが、たださえ人の注視をわれ一人に集めて往来を練《ね》っ....
「遺書」より 著者:尾崎秀実
最後の言葉をも一度繰り返したい。「大きく眼を開いてこの時代を見よ」と。真に時代を
洞見するならば、もはや人を羨む必要もなく、また我が家の不幸を嘆くにも当らないであ....
「運命」より 著者:幸田露伴
て一時|騒擾せしむるに至りたるもの、真に是れ稗史の好題目たり。之に加うるに賽児が
洞見預察の明を有し、幻怪|詭秘の術を能くし、天書宝剣を得て、恵民布教の事を為せる....
「三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
初めの一駒は、彼の詩的感懐に娼びるものがあったらしい。 三木の眼は的確に現実を
洞見し得たが、その夢想には詩的なものが根を張っていた。彼は詩が好きだった。学生時....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。
最初の間、雑誌では万事うまくいった。クリストフはまだ、同人らの凡庸さを
洞見《どうけん》していなかった。そして彼らの方は、クリストフが仲間であるから、そ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
った。これまで知らないでいたしまた知ろうとも求めなかった、彼女の感情生活を初めて
洞見《どうけん》した。弟から見捨てられて、縁遠い友のほうへ両手を差し出してた、彼....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
フランス人の勇敢な行為を瞥見《べっけん》したことがあるのか。フランス精神の悲劇を
洞見《どうけん》したことがあるのか。パスカルの深淵《しんえん》をのぞき込んだこと....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
うむっていた。自分よりもしっかりしてる精神から隷属させられることに反抗し、自分を
洞見《どうけん》して時とすると不本意ながらも自責の念を起こさせられるその眼つきに....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かし二人は同様の見方をしてはいなかった。オリヴィエは、その清澄な眼で人の下心をも
洞見《どうけん》したので、人々の凡庸さに悲しみを覚えた。しかし彼はまた、人々を奮....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、君は勇敢な労働者、民衆の友、諸民衆の友だ。僕は君を尊敬する。君は明らかに未来を
洞見《どうけん》した、君のなすところは正しい。君は、フイイー、父もなく母も持たな....
「省察」より 著者:デカルトルネ
これを凌駕しさえすると私は認めておりますとはいえ、しかし多くの人々によって十分に
洞見せられ得ないであろうと恐れる次第であります。すなわち、一つにはこれらもどちら....
「解釈学と修辞学」より 著者:三木清
プラトンは哲学者の眼をもって、当時の文化のうちに浸潤した修辞学に伴う種々の弊害を
洞見し、仮借することなく批判した。しかし彼は、なかんずくパイドロスにおいては、た....
「科学批判の課題」より 著者:三木清
とによって、分析をなすもののごとくに想像し、客観から遠ざかれば遠ざかるほどそれを
洞見すべき点に近づくもののごとくに想像するところの、かの形而上学者たち、これらの....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
も、ロセツの真意は政府が造船所の経営を企てしその費用の出処に苦しみつつある内情を
洞見し、かくして日本政府に一種の財源を与うるときは、生糸専売の利益を占むるの目的....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
地の領有を争うたのであった。 ナポレオンはその天才的直観力に依って事物の真相を
洞見し、革命に依って生じた軍事上の三要素を綜合してこれを戦略に活用した。兵力を迅....