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「洲崎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

洲崎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
を冷評《れいひょう》していた。 「そんな議論にむきになっているよりも僕と一しょに洲崎《すさき》へでも来いよ。」 Kは僕等を見比べながら、にやにや笑ってこう言っ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たしも市を観に来たんですが……」 「はは、今の若い方にしちゃあお珍らしい。帰りは洲崎《すざき》へでもお廻りですか」と、老人は笑いながら云った。 「いや、そんな元....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
のかも知れない。 都会育ちの美食家の父娘は、夕飯の膳を一々|伊勢丹とかその他|洲崎界隈の料理屋から取り寄せた。 自転車で岡持ちを運んで来る若者は遠路をぶつぶ....
光の中に」より 著者:金史良
いと考えた。 「朝鮮に行って貰ったのかい」 「おかしくって、面倒臭せえや。じかに洲崎の朝鮮料理屋に親方とかけ合いに行ってさ、この女をおらあの手に渡せ、でねえとこ....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、無理算段の足抜きで、女を東京へ連れて遁げると、旅籠住居の気を換える見物の一夜。洲崎の廓へ入った時、ここの大籬の女を俺が、と手折った枝に根を生す、返咲の色を見せ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
だから、そんな事は構っちゃいられん。……不首尾重って途絶えているけれど、中洲より洲崎の遊女が大切なんだ。しかし、心配は要るまいと思う。荷高の偵察によれば――不思....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いられません。知ったところへ行くと追手がくるような気がしましたから、ナジミのない洲崎へ行って一晩遊びましたが、大阪の知人をたよって、しばらく身を隠そうと思い、わ....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
竹藪などを掻きまわしていても所詮知れようはずはない。お兼はずっと遠い深川の果て、洲崎堤の枯蘆のなかにその亡骸を横たえているのを発見した者があった。お兼は腰巻ひと....
」より 著者:岡本綺堂
ある。 そこで、地勢の関係かどうか知らないが、江戸へ飛んでくる鷲の類は、深川|洲崎の方面、または大森羽田の方面に多く、おそらく安房上総の山々から海を渡って来る....
『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
下にあった。品川、大森と思える方の雪の杜は、はてしない海に続いている。遠く上総の洲崎は煙っている。いま、同志がおりて行く男坂には、もう雪が四、五寸も積もった。 ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
になって、まだ帰って来なかった。 別に案ずるまでもない、同町の軒並び二町ばかり洲崎の方へ寄った角に、浅草紙、束藁、懐炉灰、蚊遣香などの荒物、烟草も封印なしの一....
三枚続」より 著者:泉鏡花
、柳屋という小さな絵草紙屋をしているけれども、父が存生の頃は、隅田川を前に控え、洲崎の海を後に抱き、富士筑波を右左に眺め、池に土塀を繞らして、石垣高く積累ねた、....
式部小路」より 著者:泉鏡花
売?」と聞き直した目の上に、嶮も、ああ今は皺になった。 「深川の方で、ええ、その洲崎の方で、」 女房聞くや否や、ちと高調子に、 「お前、何をいうんだね。」 「....
遁走」より 著者:葛西善蔵
り亡者だね」 「……」 「……君はひどく酔払っていたから分らないだろうがね、あの洲崎で君が天水桶へ踏みこんで濡鼠になった晩さ、……途中水道橋で乗替えの時だよ、僕....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
きには五十銭玉一つ握り、万一の用意に一円札をたび裏にしのばせ女遊びにも出かけた。洲崎の弁天橋のたもとで、馬肉をさかなにしょうちゅうをひっかけてからいくのだが、帰....