派出婦[語句情報] » 派出婦

「派出婦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

派出婦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
日二本ずつ入れた。一本五円もしたので、怖《こわ》いほど病院代は嵩んだのだ。蝶子は派出婦を雇って、夜の間だけ柳吉の看病してもらい、ヤトナに出ることにした。が、焼石....
さようなら」より 著者:田中英光
、リエより約一月早く、精神病院から出られた。その間、ぼくの家庭は完全に解体。妻は派出婦。長男はぼくの姉のもとに、次男と長女はぼくの長兄の家に、三男は妻の姉夫婦に....
党生活者」より 著者:小林多喜二
ると法律事務所へ通っている事務員、三味線のお師匠さん、その二階の株屋の番頭さん、派出婦人会、其他七八軒の会社員、ピアノを備えつけている此の辺での金持の家などだっ....
俘囚」より 著者:海野十三
居ないこの広い邸宅は、まるで化物屋敷のように、静まりかえっていた。一週に一度は、派出婦がやって来て、食料品を補《おぎな》ったり、洗い物を受けとったりして行くのが....
蠅男」より 著者:海野十三
い旨を誓った。 警戒中の警官も、同じことを証言した。 お手伝いさんが一人と、派出婦が一人といるが、お手伝いさんも知らぬと答えた。このお手伝いさんは城の崎の在....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
のを食い破って歩いたらユカイだろうと思った。夜、風呂屋で母が聞いて来たと云って、派出婦にでもなったらどんなものかと相談していた。それもいいかも知れないけれど、根....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
七日位にかえります。あとには人をさがしていますが、出来る迄、消費組合関係のひとで派出婦をやっている人を暫くたのみます。 お約束の表を、二十日から。 ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
頃になって、どうしたろうと戸棚みたら包ナシ。ハハアと大笑いしたり、ふんがいしたり派出婦根性をおどろいたり。 タカちゃんは却っていん方がのんきな、というから、で....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
十四信 ね、今ね、家じゅう屋鳴り震動という有様です。おかしいでしょう。けさね、派出婦さんが来たの。今掃除しているのですけれどね、この人は働く音響効果を大変愛好....
落合町山川記」より 著者:林芙美子
ても、唄がきこえて来なくなってしまった。 私の隣りがダンスホール、その隣りが、派出婦会をやっている家でダブリュ商会と云うのだけれど、ダブリュ商会なんてちょっと....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
い破って歩いたらユカイだろうと思った。 夜の風呂屋で、母が聞いて来たと云って、派出婦になったらと相談した。いゝかも知れない。だが生れつき野性の私である。金満家....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
うな気持があるのでしたら、それが根本的にマチガイでしたでしょう。夫が失職して妻が派出婦になる。派出婦というものは、もしもこの夫のように職業に地位の高低があるとす....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
うに標柱が頭を競っている。小児科の医者、特許弁理士、もう一つ内科呼吸器科の医者、派出婦会、姓名判断の占師、遠慮深くうしろの方から細い首を出して長唄の師匠の標柱が....
寺じまの記」より 著者:永井荷風
みならず、その容貌もまた東京の町のいずこにも見られるようなもので、即ち、看護婦、派出婦、下婢《かひ》、女給、女車掌、女店員など、地方からこの首都に集って来る若い....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
ば、日露戦争の際陸軍中尉であった良人《おっと》が戦死してから、下女奉公に行ったり派出婦になったりまた手内職をしたりして、一人の娘を養育したが、その娘は幸いにも資....