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「派手やか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

派手やかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
薤露行」より 著者:夏目漱石
わさぬ。ランスロットの何の思案に沈めるかは知らず、われは昼の試合のまたあるまじき派手やかさを偲《しの》ぶ。風渡る梢《こずえ》もなければ馬の沓《くつ》の地を鳴らす....
婦系図」より 著者:泉鏡花
お蔦!」 蹌踉いたように母屋の羽目に凭れた時、 「早瀬さん、」と、つい台所に、派手やかな夫人の声で、 「貴下、上ったら、これにお着換えなさいよ。ここに置いとき....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
四角の白布を下げ、よろめきながら先に立っていた。つづいて若い男が行った。花婿姿は派手やかであったが、やはり白布で顔を隠していた。後に続いて数十人の人が、一様に顔....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
》や島原《しまばら》の廓《くるわ》が社交場であり、遊女が、上流の風俗をまねて更に派手やかであり、そして、女としての教養もあって、その代表者たちにより、時代の女と....
明治大正美人追憶」より 著者:長谷川時雨
さかしい者たちは、遊女らの扮粧《ふんそう》を上流の美女に似せ、それよりも放逸で、派手やかであり、淫蕩《いんとう》な裲襠姿《しかけすがた》をつくりだし、その上に教....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
けている。深夜というほどではないが、夕餉《ゆうげ》はとうに終って、夜具もなかなか派手やかなのが、いつでも寝《やす》めるように展《の》べられている。 そこで、お....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を節してまで、弟の服装《みなり》や娯楽のためをはかり、その生活を多少なりと楽しく派手やかにしてやり、ときには音楽会や音楽劇に行くこと――それがオリヴィエの最大の....
闘牛」より 著者:野上豊一郎
まわって、却って闘牛士《トレロス》たちを翻弄するような状態であった。ベルモンテも派手やかに秘術をつくし、片膝をついて向って来る牛に肩を跳び越さしたり、角をつかん....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
だな。入って見よう」 それで伊太郎は木戸を潜った。 今、舞台では一人の娘が、派手やかな友禅の振袖姿で、一本の綱を渡っていた。手に日傘をかざしていた。 「浮雲....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
聚楽風であった。 すなわち関白|秀次に仕える、聚楽第の若い武士の、一風変わった派手やかな、豪奢を極めた風俗であった。 そうしてその事が秋安の心を、一層の憤り....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
て宝応元年になった。 ある県令に招かれて、釆石江で舟遊びをした。 すばらしく派手やかな宮錦袍を着、明月に向かって酒気を吐いた。 波がピチャピチャと船縁を叩....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
出て、上手にそれを使ったからでもあったが、それよりむしろその美人が、目立つような派手やかな風俗をして、その風俗とその美貌とを、売り物にしたがためである。 で、....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
可もなく、不可もなく、まず普通という程度であるが、髪の結い方、着物の好みが余りに派手やかで、紅|白粉を毒々しいほどに塗り立てた化粧の仕方が、どうしても唯の女とは....
円朝花火」より 著者:正岡容
、師匠。私、勅使河原静江よ」 早くも楽屋の次の間から、眉の濃い目のパチリとした派手やかな顔のこの貴婦人は夜目にも白牡丹の花束のような厚化粧で金ぴかずくめの西洋....
ジャズ狂時代」より 著者:小野佐世男
ラ星の如く銀色を放つ楽器の数々が眼もまばゆい位、チェックのスーツを着た、渡辺弘の派手やかなタクトにわき起るようなジャズのメロディー、その時、横飛びに飛び出したの....