派手好み[語句情報] » 派手好み

「派手好み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

派手好みの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
い貴婦人に連れられた令嬢が這入って来たのが見えた。その令嬢は和装で女優かと見える派手好みであった。徳市はふり返って恍惚となった。 憲作が徳市の前に来てヒョコリ....
平塚さんと私の論争」より 著者:与謝野晶子
家庭にある女子で、男子の注意を引くことの意志を最も露骨に示した、厚化粧と、過度な派手好みの服装と、厭うべき媚態とを備えた、娼婦型の女子の目立って増加したことにつ....
ほととぎす」より 著者:堀辰雄
がないので、少女を自分の側から離さぬようにして物語のお相手などしているが、いつも派手好みで、匂うような桜がさねの、綾模様《あやもよう》のこぼれそうな位なのを着付....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
相変らず私は、ある種のスリルを満喫していた。 そのうちに、踊りの稽古が、あまり派手好みでない母に、少々面倒にもなったのか、姉の脚も、すっかり人目にわからなくな....
盈虚」より 著者:中島敦
って悉《ことごと》く此の地に会した。渾良夫《こんりょうふ》はもともと小姓上りとて派手好みの伊達男である。此の日彼は紫衣に狐裘《こきゅう》を重ね、牡馬二頭立の豪奢....
操守」より 著者:豊島与志雄
し通して落付いてしまった。 色古浜の着物、綴錦《つづれにしき》の帯、目立たない派手好みに、帯留の孔雀石の青緑色が、しっくり付いていた。三十五六の、きゃしゃな美....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
事が起こるのでござりましょうか?」 「松倉屋の女房を知っているかな?」 「美人で派手好みで交際好きで、評判の女房にござります」 「そうして大分若いはずだ」 「二....
春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
使用料をとられるのであるから、金持ち候補でなければ手が出せないのである。いかにも派手好みの頼母木が企てそうなことだ。 大隈伯が、応援演説にでれば当選はきまって....
」より 著者:矢田津世子
して父のあとからおきえさんと並んで歩きながらも着物の柄あいが地味すぎるからもっと派手好みにした方がいい、とか、色がお白いから半襟は紫系統がお似合いだ、とか独りで....
私本太平記」より 著者:吉川英治
だった。いずれも、この日は鎧だが、とくに道誉の、鉢金打った風折烏帽子に、彼らしい派手好みな陣装いは、ひと目で彼と、すぐ分る。 わけがわからぬままにも、直義はす....
私本太平記」より 著者:吉川英治
むろん看過できないものだった。 由来、新田の本営は、華美だった。 大将義貞の派手好みにもよるが、下部の将士にも禁軍意識がつよかった。皇室の親衛軍たるを誇って....