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流れ
「流れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
こう云った。幾分か乱されはしたものの、まだ彼の胸底には、さっきの満足の情が、暖く
流れていたからであろう。
「いや、そう云う訳ではございませんが、何かとあちらの方....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
、あの大川の水をながめにゆくことを忘れなかった。動くともなく動き、流るるともなく
流れる大川の水の色は、静寂な書斎の空気が休みなく与える刺戟《しげき》と緊張とに、....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
年縁づく時、父に分けて貰う筈だった物が、未《いまだ》に一部は約束だけで、事実上お
流れになっているらしい。――そう云う消息《しょうそく》に通じている洋一は、わざと....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
る宗旨《しゅうし》に何の取柄《とりえ》がございましょう? またそう云う臆病ものの
流れを汲《く》んだあなたとなれば、世にない夫の位牌《いはい》の手前も倅《せがれ》....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
の晩、達雄は急にシュウベルトの「シルヴィアに寄する歌」を弾きはじめるのです。あの
流れる炎《ほのお》のように情熱の籠《こも》った歌ですね。妙子は大きい椰子《やし》....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
郎を家庭へ縛りつけた人間の鎖の断たれる時である。濁った朱の色を透《す》かせた窓は
流れ風にでも煽《あお》られたのか、突然がたがたと鳴り渡った。と同時に半三郎は何か....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
た。
僕はしばらく月の映《うつ》った池の上を眺めていた。池は海草《かいそう》の
流れているのを見ると、潮入《しおい》りになっているらしかった。そのうちに僕はすぐ....
「狂女」より 著者:秋田滋
けていたのだろうか。それともまた、思想というものが跡形もなく消え失せてしまって、
流れぬ水のように、一ところに澱んだままになっていたのだろうか。 十五年という永....
「墓」より 著者:秋田滋
しておりました。また、黒いしる「#「しる」に傍点」のようなものが一条、その口から
流れておりました。 しかし彼女でした、やッぱり彼女でした。わたくしは急に怖ろし....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
またこの論文の中に「球に正電気を与えて一定の方向に動すと、丁度その方向に電流が
流れているのと同じ作用を生ずるだろう」と書いてあるが、これは二十八年後に、と見做....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ものだとばッかり思っていたのでした。私たちはこの少年のからだをサンテーズ家の血が
流れているのだということを忘れていたのです! かれこれ一年の間、こういうことが....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
そこは心地よいまどろみの国。 夢は半ばとじた眼の前にゆれ、 きらめく楼閣は
流れる雲間にうかび、 雲はたえず夏空に照りはえていた。 ――倦怠の城 ハドソン....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
いた。 その子供が五つになった時のことである。旅まわりの軽業師の一座がこの村へ
流れて来て、役場のまえの空地に小屋をかけた。 軽業師の一行をみたジャンは、こっ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
前に置き、それに小さな穴を、ただ小さな穴のみをうがち、生命をつくりあげている血が
流れるのを眺め、それが柔かな、冷たい、動かない、考えることもしない一塊りの肉にほ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
、何の取柄もないような村でありました。しかし百姓たちの村に入るところに大きな河が
流れて、その河には、秋になると、岩名や山魚が沢山に泳いでいました。村の人たちは、....