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「流下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

流下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
する下流階級の貧困ではなかった。が、体裁を繕う為により苦痛を受けなければならぬ中流下層階級の貧困だった。退職官吏だった、彼の父は多少の貯金の利子を除けば、一年に....
道標」より 著者:宮本百合子
とも云い得る強烈な欲望、伸子が衒学的だと感じて、常に反撥したその欲望は、日本の中流下層階級に属して、この社会に何の伝統的な生活手段も持っていなかった彼の、個人的....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
る。この原因についてもあまりよく知る人がないようである。この場合にもやはり表面を流下する液体の運動にある週期性があって、それがまた同時に氷結と融解、あるいは析出....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
国の川開きは年々の隅田川夕涼みの魁をなし、昔は玉屋鍵屋が承って五月二十八日より上流下流に大伝馬をもやいて大花火、仕掛花火を打揚げる。江戸ッ児の魂を有頂天にして、....
」より 著者:佐藤垢石
の速さ、水の深さ、底石の大小、水垢の乗り塩梅、水の純度、天候、時間、季節、上流中流下流、他の釣り人が既に釣った後の釣り場であるかどうか、石垢についた鮎の歯跡、気....
水の遍路」より 著者:佐藤垢石
がなく、空魚籠を提げて帰ってきたのも、微笑ましかった。 武州の荒川は、長瀬の上流下流で幾度か鮎の友釣りを試みた。三峰川と中津川では山女魚釣りに谷を跋渉した。高....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
ザサの茂れる中を押し分けて登る。いかにも、人間の通った道らしくない。大雨の折りに流下する水道か、熊や羚羊どもの通う道だろう。喬木では、ツガ、モミ、シラベ、カツラ....
火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
切れた半弓を掛けたように、針葉樹帯の上に、鮮明に懸かっているのみならず、そこから流下した堆石は、累々として、山麓に土堤を高く築いている。ただ巨大な堆石が、現在見....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
。川上には無数の材木のただよいおれるを見る。これ、いわゆるクダナガシなり。諸川の流下すること緩慢にして、渓流といえども水声を聞かざるは、わが国と大いに異なるを覚....
教育の最大目的」より 著者:新渡戸稲造
ばならぬ。換言すれば実行的活動的の人物を造ることである。伊勢鈴鹿川の琴の橋がその流下する水量に依《より》て音響を異《こと》にし、希臘《ぎりしゃ》イオリヤの琴の音....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
退去命令が出たので阿仁合川を、われわれを一人宛舟にのせて警官が五、六人乗って、急流下りをやった。あの圧迫の中での急流下りの快味も、未だに忘れることのできない思い....
三国志」より 著者:吉川英治
「ええ、こんな問答はしておられぬ!」 趙雲は、渓に沿って、馳け去った。部下を上流下流に分け、声も嗄れよと呼んでみたが、答えるものは奔潭の波だけだった。 いつ....
三国志」より 著者:吉川英治
みあいしていたら、一年たっても勝敗は決しますまい。それがしが考えるには、渭水の上流下流は、さしもの敵も手薄でしょうから、一手は西の蒲浦を渡り、また丞相は河の北か....
三国志」より 著者:吉川英治
戦い得る態勢もとり得ない。王平、張嶷の二軍もさんざんにうたれて逃げ崩れた。 上流下流の全面にわたって、この夜、蜀軍のうけた兵力の損害だけでも一万をこえていた。....
アラスカの氷河」より 著者:中谷宇吉郎
あって、氷河の氷自身の温度は、ほとんど零度に近い。こういう氷河は、流動しやすく、流下の速度も大きい。流下速度の正確な測定はないので、はっきりしたことはわからない....