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流伝
「流伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魚玄機」より 著者:森鴎外
魚玄機が人を殺して獄に下った。風説は忽ち長安人士の間に
流伝せられて、一人として事の意表に出でたのに驚かぬものはなかった。 唐の代には....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
して、手に、大事そうに抱えているのは、これが、あの、伊賀の暴れン坊の婿引出、柳生
流伝来の茶壺こけ猿であろう。鬱金《うこん》のふろしきに包んだ、高さ一尺五、六寸の....
「道連」より 著者:豊島与志雄
山幽谷の中に出てしまうのだ。 所がある晩、月の光に浮かされて、だいぶ遠くまで溪
流伝いに出て行って、帰りは道を少し山手の小道に取ったのが失策で、どこをどう間違っ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
つぶった。 鶴見が読んだというのは『死者の書』である。 その本のなかでは世に
流伝している中将姫の物語が、俗見とは全く違った方角から取扱われている。『死者の書....
「親鸞」より 著者:三木清
るか。仁義の思想は言うまでもなく儒教に出づるものであって、わが国においても儒教の
流伝とともに国民道徳の基本となったのである。しかるに『教行信証』化巻には『論語』....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
はまだ蚊帳の中に寝ない時代から、既にこの語を覚えていたらしいのである。 国語の
流伝にはもうよほど古くから二通りの様式があった。即ち体験をした言葉と、暗記をしな....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
かりの沢山の昔話が、時鳥と郭公とについてのみ保存せられている。そうして広い地域に
流伝して、しかもその啼声の聴きようと、これに基づくこの鳥の異名だけは、土地ごとに....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
いだものであった。 しかし商業交易の保護神として、すでに福神のある程度の信仰が
流伝していなかったら、突如としてこのような俗伝が、村に入って来なかったこともまず....