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流俗
「流俗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流俗の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「博士問題とマードック先生と余」より 著者:夏目漱石
ら知名の人を余に比較するためでなかったのは無論である。 先生いう、――われらが
流俗以上に傑出しようと力《つと》めるのは、人として当然である。けれどもわれらは社....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
決して軽蔑《けいべつ》の意をもって視《み》るべきものでない。滔々《とうとう》たる
流俗に抗する万古不磨《ばんこふま》の穴の集合体であって、大《おおい》に吾人の尊敬....
「野分」より 著者:夏目漱石
那《せつな》に道也は奇麗《きれい》に消滅してしまうからである。道也は人格において
流俗《りゅうぞく》より高いと自信している。
流俗より高ければ高いほど、低いものの手....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
先生と同じく世外《せがい》の趣はあるが、世外の功名心《こうみょうしん》のために、
流俗の嗜欲《しよく》を遠ざけているかのように思われる。だから野々宮さんを相手に二....
「高浜虚子著『鶏頭』序」より 著者:夏目漱石
なる。と云うものは凡《すべ》て是等《これら》の現象界の奥に自己の本体はあって、此
流俗と浮沈するのは徹底に浮沈するのではない。しばらく冗談半分《じょうだんはんぶん....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
ものから養分を吸収しようとする欲望が、露骨に感ぜられるのは愉快である。 今日の
流俗は昨日の
流俗ではない。昨日の
流俗は、反抗的な一切に冷淡なのが常であった。今日....
「向嶋」より 著者:永井荷風
桜花ヲ以テ鳴ルヤ久シ。故ニ花候《かこう》ニ当テハ輪蹄《りんてい》陸続トシテ文士雅
流俗子婦女ノ別ナク麕集《きんしゅう》シ蟻列シ、繽紛狼藉《ひんぶんろうぜき》人ヲシ....
「それから」より 著者:夏目漱石
後から薬になるんだって、もとは君の持説じゃなかったか」 「そりゃ不見識な青年が、
流俗の諺《ことわざ》に降参して、好加減《いいかげん》な事を云っていた時分の持説だ....