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流動
「流動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
よさそうなものだ。なんというわがままな子だろう(葉子は貞世が味覚を回復していて、
流動食では満足しなくなったのを少しも考えに入れなかった)。
そうなるともう葉子....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
をすることだけである。 我々青年を囲繞《いぎょう》する空気は、今やもうすこしも
流動しなくなった。強権の勢力は普《あまね》く国内に行わたっている。現代社会組織は....
「俘囚」より 著者:海野十三
待て待て。そうムザムザ殺すわけにはゆかないよ。さア、もっと横に寝ているのだ。いま
流動食を飲ませてやるぞ。これからは、三度三度、おれが手をとって食事をさせてやる」....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
き頃には、まさにその力尽き、骨|萎えて、また如何ともするあたわざる風情して、この
流動せる大偉人は、波を伏せ※きを収めて、なよなよと拡げた蒼き綿のようになって、興....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
r)の伝えているものによると、大地は始めには泥のように、また水に浮ぶ油のように粘
流動性であった。『そのうちにこの物質の中からアシと名づけるイチハツあるいは葦のよ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
くりがひッたり当て填る気がして、天上の果てから地の底まで、明暗を通じて僕の神経が
流動|瀰漫しているようだ。すること、なすことが夢か、まぼろしのように軽くはかどっ....
「三十年後の東京」より 著者:海野十三
それはそれとして、まず久しぶりにかるい食事をなさいといって、正吉を食堂へ案内して
流動食をごちそうした。 少年は思いのほか元気であった。例の四人組の外に、東京区....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
後に、勿論御承知のこととは思いますが、絞死による屍体の血液は比較的長時間に亙って
流動状態にあるものですから、死後数時間を経てロープから振り落された屍体といえども....
「食魔」より 著者:岡本かの子
納め、共に焼いてしまったことであった。 病友に痛みの去る暇なく、注射は続いた。
流動物しか摂れなくなって、彼はベッドに横わり胸を喘ぐだけとなった。鼈四郎は、それ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
しかし、その鬱血腫脹している脈管は、屍体の位置が異なったりするたびに、血胸血液が
流動するので、それがため、一種物理的な影響をうけたのであろう。つまり、その作用と....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
それはそれとして、まず久しぶりにかるい食事をなさいといって、正吉を食堂へ案内して
流動食《りゅうどうしょく》をごちそうした。 少年は思いのほか元気であった。例の....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
は身体を耐熱耐圧性に富み、その上、伸縮自在の特殊材料でもって外皮を作り、その中に
流動性の身体を安全に包んで渡航してくるであろう。その材料について、予は左記の如き....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
滴ずつ。段々多くするんですッて。」 青き小き瓶あり。取りて持返して透したれば、
流動体の平面斜めになりぬ。何ならむ、この薬、予が手に重くこたえたり。 じっとみ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
到せしむるを得たならこの一篇の目的は達せられている。更に進んで故人の肉を描き血を
流動せしめて全人格を躍動せしめようとするには勢い内面生活の細事にまでも深く突入し....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、宇宙全体に漲る大生命の一分派であります。その大生命は絶えず進転しています。その
流動の上に現れた一つの泡が私たち一人一人の生命なのです。この世に人間という形を以....