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流域
「流域〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流域の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「身投げ救助業」より 著者:菊池寛
を投げた。 疏水の一年の変死の数は、多い時には百名を超したことさえある。疏水の
流域の中で、最もよき死場所は、武徳殿のつい近くにある淋しい木造の橋である。インク....
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
なえられた。 白独の国境からリエージュまでの地方は、ベサール川とヴェスドル川の
流域である。樫《かし》や※《ぶな》の森林におおわれた丘陵がその間を点綴《てんてつ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、転々変化浮気女のごとく、絶えず臥床をかえゆくのがピルコマヨである。そうしてその
流域のなかでもいちばん怖しい場所が、「|蕨の切り株」のパチニョの湿地になっている....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ならないから。だから私は絶対に自由なのだ。そして両岸の摩擦の影響を受けねばならぬ
流域に近づくに従って、私は自分の自由が制限せられて来るのを苦々しく感じなければな....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
間の黙想中に、睡魔予防剤として広くこれを服用した。 四五世紀のころには、揚子江
流域住民の愛好飲料となった。このころに至って始めて、現代用いている「茶」という表....
「河明り」より 著者:岡本かの子
俗地理学者の若い紳士であった。この学者は毎日のように、この沿岸に来て、旧神田川の
流域の実地調査をしているのであった。 河の源は大概複雑なものだが、その神田川も....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
高瀬を攻略しようとした。二十七日には、この薩軍は第一旅団の兵が、高瀬川、迫間川の
流域に要撃して激戦を交えたが、三好少将も右臂は弾丸で傷き、官軍|将に敗れんとした....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
得るのである。況んや山東が、その地理的優越に於て、その軍需的価値に於て、その黄河
流域無限の富庫を後方地帯に抱容する点に於て、我等は国防上、国民生活上、永久にこれ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
、これも八首中の一つである。稲日野は印南野とも云い、播磨の印南郡の東部即ち加古川
流域の平野と加古・明石三郡にわたる地域をさして云っていたようである。約めていえば....
「発明小僧」より 著者:海野十三
。」 社長「どうも判らないですナ。」 小僧「判ってるじゃないですか。いつか長江の
流域八百里に亙って大洪水があって困ったということがありましたろう。あれの十倍も二....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
行く。 西野郷は今日の三岳村と、開田村とに跨がっており、木曽川へ流れ込む黒川の
流域、貝坪、古屋敷、馬橋、ヒゲ沢渡、等々の小部落を点綴したところの、一大地域の総....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
けない。 宇治山田郊外には蘇民の森というのがあるのである。二見村の旧五十鈴川の
流域にある。今の五十鈴川には二ツの河口があり、二見の江村へそそいでいるのが古いの....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
わゆる奥郡の地には鎌倉の勢力もいまだ十分に及ぶ能わず、前九・後三の役の後に北上川
流域地方を引続き俘囚の豪族に委したと同じように、依然として土豪の領有を認め、その....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
の住んでいたことを復命致しております。その蝦夷の国を日高見の国と申し、今の北上川
流域地方に当るものの如く考えられておりました。北上川という川の名も、昔は「日上」....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
れは何という悲惨なことであろう。三十三世紀後の人間は、瀬戸内海の東北隅、元淀川の
流域付近に、巨人の墓場のようなものがある。 『なんでもこの付近は、昔大工業の発展....