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「流失〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

流失の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
島に在《おわ》せしが、去る二十二年の大水に諸神体、神宝、古文書とともにことごとく流失し、只今は従来の地と全く異なる地に立ちあり。万事万物新しき物のみで、露軍より....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
た塩沢あたりの道がぬける。香蔵が帰って行った中津川の方の大橋付近では三軒の人家が流失するという騒ぎだ。日に日に木曾川の水は増し、橋の通行もない。街道は往来止めだ....
播州平野」より 著者:宮本百合子
ているのであった。 午ごろ、あちこちから噂がつたわって来た。川下では家が何軒も流失した。人死もあった。トンネルが潰れて山陽線が不通となり、宮島近くの海軍療養所....
海底都市」より 著者:海野十三
に、地上の生物はいくたびか死に絶え、口碑伝承《こうひでんしょう》もとぎれ、記録も流失紛失《りゅうしつふんしつ》して、ほとんど何にも残っていないのだ。ねえ、分るだ....
浅間山麓」より 著者:若杉鳥子
にかかっていた。その前に立札があって、「元和元年仙石秀久築城、寛保二年大水のため流失す、再び明和二年、牧野康満によって改築さる云々」と書いてあった。 茶店のお....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
なりません。私たちは、生活の地形にはっきりと知った一つの淵をよく理解し、そこには流失の憂いのない橋を架け、必要にしたがって平静にその上を往来して、やって行きまし....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
た時は、無人の年月にトヨが落葉でつまり、又、谷川のとりいれ口のトヨが風雨のために流失しており、用をなさなくなっていた。露天風呂には天水がたまって、蛙が棲んでおり....
最後の一句」より 著者:森鴎外
その船が不幸にも航海中に風波の難に会って、半難船の姿になって、横み荷の半分以上を流失した。新七は残った米を売って金にして、大阪へ持って帰った。 さて新七が太郎....
橋の上」より 著者:犬田卯
のはげしいために、ところどころ穴さえ開き、洪水でもやって来れば、ひとたまりもなく流失しそうだった。 学校通いの腕白どもは、しかしかえってそれを面白がった。張ら....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
五分に白沢の出合に着いた、此処で荷物を減ずるために米の袋を、降雨や増水があっても流失や湿らぬ用意して置いて行った、只見川に別れて白沢を溯る、徒渉というよりは全く....