流弾[語句情報] » 流弾

「流弾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

流弾の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
乱世」より 著者:菊池寛
ここまで付いて来た農兵隊は、蜘蛛の子を散らすように逃亡した。偽の万里小路侍従は、流弾に斃れた。その場で殺された者が、五十人に近かった。捕われたものが十七人。それ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
りましてから軍医を志願しまして、西南戦争にも従軍しました。そのとき、日向の延岡で流弾にあたって左の足に負傷しまして、一旦は訳もなく癒ったのですが、それからどうも....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
と、彼女の手を重く引いて、地上にがくッとへたばった。 「どうしたの?」 俊は、流弾に脚をうたれていた。白ッぽいメリンスに血がにじんでいた。 「どうしたの?」 ....
夜の靴」より 著者:横光利一
れもそうだった。」 禿げた頭の鉢は大きく開き、耳の後ろから眼尻にかけて貫通した流弾の疵痕が残っている。二十二のとき日露の役に出征し、旅順でうけた負傷の疵だが、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
出すような重さであったとか、土蔵にこもって上野の山の鉄砲の玉をさけていたら窓から流弾が入って、一人息子の一彰の背中にとまって、それを母である祖母がぬいてやったと....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
隊士は、不審そうにお千代を見たが、 「いや、沖田総司なら……」 しかしその時、流弾が、隊士の胸を貫いた。隊士は斃れた。お千代は仰天し、走寄って介抱したが、もう....