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流感
「流感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冗談に殺す」より 著者:夢野久作
、私の鼻の先へ汚れた手袋の三本指があらわれた。それは新しい鳥打帽を眉深く冠って、
流感|除けの黒いマスクをかけた若い運転手の指であったが……私はすぐに手を振って見....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
他の働きができない。 サナトリアムは満員だ。日本には肺の悪い人がいるだろうか。
流感《グリップ》がこんな置土産をしていった。三期になったらサナトリアムへ行けるだ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
う岩山が一つある。この近くの高砂の町に私の中学時代の親友があったが、七、八年前の
流感で死んでしまった。その友人の案内で私は十年前の真夏、この岩山の一軒宿で一カ月....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
種類に過ぎないものである場合でさえも、その一種の花が当分のうち全日本の浦々にまで
流感の如く速かに発生するのである。 だが根がないために、次の切花の到来を待ちあ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
世人の顰蹙 林檎が起した波紋 小学校校長のために 博士ダンピングへ 荒木陸相の
流感以後 スポーツマンシップとマネージャーシップ 失望したハチ公 武部学長・投書....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
なるかもしれないのである。 四 半分風邪を引いていると風邪を引かぬ話
流感が流行るという噂である。竹の花が咲くと
流感が流行るという説があったが今年はど....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ったと云っても七度五分でした。今日は六・八位。喉や鼻よりいきなり胸へ来て(今年の
流感の特徴です、いやね)湿布さわぎをやると困るので、自重している次第です。予定で....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
はどっさりありますね。一生退屈しなさそうね。めでたし、めでたし。 それからね、
流感は画家たちにまでうつっているという有様ですから、私はよくヴィタミンのんで体に....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
診察を乞う人もあり、うれしい思いをさせられる折もあります。ちかごろに至りましては
流感の患者、肺炎の患者、胃腸の患者の八九十%以上に、肝臓の肥大圧痛が触診されるの....
「亀の子を握ったまま」より 著者:田中貢太郎
一人の男の児があって、小学校の二年か三年であったが、それから二月ばかりしてそれが
流感にかかって、ぽっくりと死んでしまった。 女房のお千世は重なる不幸にすっかり....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
元気を出して、あちこちの看病に雇れていたのですが、とうとう自分も感染して、年寄の
流感で、それなり逝ってしまいました。好い性質の人であり、勤勉でもあったのに、不遇....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
門家の意見をひろく募った。知友のあいだで義捐金の募集に努力した。その間六週間ほど
流感で寝こむという不利もあったが、要するに大した金額は集まらなかった。「ロシア報....
「私はかうして死んだ!」より 著者:平林初之輔
その翌日の夕方でしたが」と彼は職業がら少し言いにくそうに言葉をつづけた。「何しろ
流感がひどくはやっていて、手放せない患者があったものですから、ついおくれましてね....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
伊豆の日蓮聖人の聖蹟に至り、構想を整頓して正月中頃から起草を始めようとしたとき、
流感にかかり中止。その後、再び着手しようとすると今度は猛烈な中耳炎に冒されて約半....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
るんです。みんな死んでしまうんです。」 それは大変だというので、三番目の子供が
流感で寝ている最中に、その家相の先生の指図で、四谷の方に家を探した。坂町に好い家....