流水[語句情報] » 流水

「流水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

流水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みちのく」より 著者:岡本かの子
すると機嫌《きげん》を取直す。というよりも芥《ごみ》を永く溜《た》めてはおけない流水のように、新鮮《しんせん》で晴やかな顔がすぐ後から生れ出て晴やかな顔つきにな....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
ごとく、彼はやさしく琴を撫し、静かに弦をたたいた。自然と四季を歌い、高山を歌い、流水を歌えば、その古桐の追憶はすべて呼び起こされた。再び和らかい春風はその枝の間....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ても受付けさせなかった。ついに父は荒川放水を逃路の限りとして背水の陣を敷き、青海流水泳の最後の道場を死守するつもりである。 このように夏|稼ぎの水泳場はたびた....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、諸方を流転して、おちつかない日を送ること一年九ヵ月で、月並の文句ではあるが光陰流水の感に堪えない。大久保へ流れ込んで来たのは十三年の三月で、もう一年以上になる....
不周山」より 著者:井上紅梅
た。 彼女は一息吹いて、少し気持が軽くなり、眼を転じて自分の身の周りを見ると、流水はもう大部退いており、所々に大きな平たい石が露出し、その石の割目には、色々の....
役者の一生」より 著者:折口信夫
一 沢村源之助の亡くなったのは昭和十一年の四月であったと思う。それから丁度一年経って木村富子さんの「花影流水」という書物が出た。木村富子さん、即、錦花氏夫人は今の源之助の継母かに当る人....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
にグラグラッと異様な地響きが、滝口坑全盤にゆるぎわたった。そして間もなく、坑側の流水溝には、何処から湧き出づるのか夥しい濁水が、灼熱した四台の多段式タービン・ポ....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
ある。この“|〔Dabukku_〕”などもその一つ。直経百海里にもわたるこの大渦流水域を称して、「海の水の漏れる穴」とはよくぞ呼んだりだ。 そこは、赤道無風帯....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
寒さに張り詰めた息をすこし洩す緩やかな光が添った。だが冬の続きの白雲はまだ青空に流水の険しさを見せて、層々北から南へ間断なく移って行った。雲によって陽が翳るごと....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
も出現していた。 栗林儀作のところも無論その中の一軒だった。儀作は雪解の泡立つ流水を落している川瀬の音に頭脳をもみくちゃにされ、青々と色づいた山々や、柔かい大....
郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
震災以来、諸方を流転して、おちつかない日を送ること一年九ヵ月で、月並の文句ではあるが光陰流水の感に堪えない。大久保へ流れ込んで来たのは去年の三月で、もう一年以上になる。....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
った水が通っていく水路を指でくわしく示した。その水をできるだけ明白に見せるため、流水管の出口に両手をあててまぎれもなく水をすくう様子をしたとき、旅行者は頭を上げ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
帰路に向かい、クロイドン駅に降車す。林丘あり河流ありて、夏時の遊歩場に適す。その流水はヤラ川の源流に当たる。この川、メルボルンに至りて海に入る。この辺り概して牧....
呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
着た師の妹娘を後に従えて、箱根旧街道へと足を向けた。右手の若葉の谷の底に須雲川の流水の音がさらさらと聞えた。 「先生は」 「丈夫よ」 「お姉さまは」 「丈夫よ」....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
人は、悪執拗い努力や作為は一つもなく、ただ力が入っている。力が入っていながら行雲流水のような自由で自然の態度を備えている。これは、まあ私たち凡人にとっては理想の....